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【令和6年能登半島地震】糸魚川市の災害、避難状況

 糸魚川市の地震災害対策本部によると2日午前8時現在、同市内で地震と津波による大きな被害は発生していない。同市では1日午後4時10分に最大震度5強(一の宮)の揺れを観測した。
 1日の地震発生直後の大きな揺れや避難する際に転倒してけがをした人が4人。60~80代でいずれも軽傷。消防が現場で応急処置をした。建物被害は、住家の屋根瓦の落下や家の傾き、他にブロック塀の崩壊など。県道湯之河内梶屋敷停車場線、寒谷バス停付近で車線の陥没があり片側交互通行。市職員らが市内をパトロールして建物、道路の被害調査中。一部地区(徳合、寺町、押上)約40件で断水。
 避難状況は、津波警報発令に伴い、市全域で市民が自主的に高台へ避難。公共施設や学校、寺社、事業所など約70カ所で合わせて最大約5800人が避難した。そのまま600~700人が避難所で一晩を過ごした。
 糸魚川地域では沿岸部、市街地から美山周辺(糸魚川中、市民総合体育館、フォッサマグナミュージアム、糸魚川カントリークラブなど)へ避難する車で道路が混雑したという。糸魚川駅にも約350人が避難し、北陸新幹線の駅構内を開放してホームや待合室、通路に身を寄せた。配られた保温シートで寒さをしのいだ。
 余震を心配してそのまま避難を継続する人も見られた。2日午前8時30ごろ、市役所1階市民ホールへ避難してきた糸魚川地域(京ケ峰)の女性(30)は「地震直後に荷物をまとめて祖母を連れて近所の会館へ避難した。家は壁が崩れたりして、安全を確認しないと怖くて戻れない」と不安そうに話した。80代の祖母も「こんなに揺れたのは初めて。体調は大丈夫。家が心配」と話した。
 市内南寺町2のショッピングセンター(衣料品店)では、店内の壁や天井が落ち、フロアには商品が散乱した。2日が初売りだったが、従業員が「これでは店が開けられない。前途多難の1年だ」とため息をつき、被害の確認と片付けに追われた。
 同市は1日午後4時15分に市役所2階に「1・1糸魚川市地震災害対策本部」を設置。2日午前8時に3回目の会議を開き、本部長の米田徹市長が「情報収集を見ながら早急に対応できるものはやっていきたい。これから調査、対策に入るが安全に十分気を付けて」と指示した。

棚などが倒れて散乱した衣料品店呉服売り場内(2日、糸魚川市南寺町2)


地震により2階のガラス窓が外れて路面に落下した(2日午前8時40分ごろ、糸魚川市中央1)


京ケ峰1地内でブロック塀や擁壁の崩壊が多数発生した(2日)