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地震被災の雌牛「こま」 元気な姿で田植え応援 体形戻り8月出産予定 清里区

清里に来て3カ月が経過した雌牛「こま」。児童の田植えの様子を見ながら草をはんでいた

 1月1日の能登半島地震で被災し、石川県能登町から清里区へ引き取られた雌牛「こま」が9日、同区の清里小児童の田植えの応援に駆け付けた。上越に来てから3カ月が経過し、元気な姿を見せた。

 こまは能登半島地震で廃業を余儀なくされた畜産家から引き取られたうちの1頭で、同区のグリーンファーム清里が受け入れた。同社の保坂一八社長によると、上越市内では約20頭が引き取られた。

 同社に到着したのは2月8日で、当時はあばらが浮くほどに痩せていたが、その後に食欲を取り戻し、現在は他の牛と変わらないほどに体形が戻った。受胎しており、8月に出産を予定している。

 同社は清里小の稲文字作りに協力しており、田植えや稲刈りの際には同社が飼育する牛を連れてくるのが近年の恒例になっている。今回は児童に地震被害のことを知ってもらうことを目的に、こまが応援役を務めた。

 田植え前に保坂社長は児童にこまを紹介。地震から1カ月は餌がなく、雪を食べて飢えをしのいでいたことや、清里区内の水田でも地震の被害があったことなどを説明した。「経済動物も被害に遭ったことや、助け合うことの大切さを学んでもらいたい」と保坂社長は話した。