文字サイズ

なおえつ茶屋店主・花柳さん 林芙美子命日の28日 文学碑に献花

林芙美子が好きだったアジサイなどを手向け、手を合わせる花柳さん

 直江津が登場する『放浪記』の著者、林芙美子の命日の28日、上越市中央1のなおえつ茶屋店主で舞踊家の花柳紀寿郎(本名・河端紀子)さん(84)は同市中央2の荒川橋たもとにある文学碑に献花し、冥福を祈った。

 『放浪記』は林芙美子の自伝的小説。主人公は直江津に旅をして旧いかや旅館に泊まり、三野屋の継続団子を食べている。花柳さんは昔から放浪記を愛読し、毎年命日に碑を訪れている。特に3年前に大病をした際は大いに励まされたと振り返る。

 今年は、林芙美子が少女時代を過ごした広島県尾道市を初めて訪れ、23日に芙美子をしのんで行われている「あじさいき」に参列した。遠方からの参加に歓迎を受け、煎茶会にも参加して交流を広めた。

 28日は尾道で献花したアジサイの一部を持参。碑の前の草を取り除き、アジサイと継続団子、なおえつ茶屋の「芙美子ブレンド」コーヒーを供え、手を合わせた。花柳さんは「尾道に行って、(林芙美子が)素晴らしかったことを改めて実感した。せっかく直江津にも碑があるので、もっと思ってほしい」と話した。