文字サイズ

古民家宿で体験交流 「MAHORA西野谷」オープン 妙高市

古民家宿「MAHORA西野谷」のオープニングセレモニー
来場者に内部が公開された

 築120年の空き家を活用した古民家宿「MAHORA(まほら)西野谷」が6日、妙高市西野谷にオープンした。1日1組限定。1棟貸しの風格ある空間で、地域の日常の暮らしを体験できる。

 同施設は、民間事業者が産学金官の連携により取り組む事業を支援する制度、総務省の地域経済循環創造事業交付金「ローカル10,000」プロジェクトを活用して整備。市が後方支援した。関係人口や交流人口の拡大を図り、地域活性化や地域経済の好循環を目指すとしている。

 「MAHORA」は「素晴らしい場所」「住みやすいところ」の意味を持つ言葉。「妙高の里山生活」を味わえる体験型交流施設をコンセプトにしている。訪日観光のインバウンド客らを迎える。さまざまな地元料理や体験を提供するに当たり、地域の協力者を募集していく。

 運営は合同会社穀宇(こくう)。服部純さん・蔡紋如(サイ・ウェンル)さん夫妻が代表を務める。蔡さん(36)は台湾出身で、2014年に妙高へ移住した。京都大経営管理大学院観光経営修了コースを卒業。台湾、香港などに対しインバウンド受け入れの旅行提案を行い、信越エリアの魅力を発信している。2022年12月に同空き家を購入、昨年9月に着工した。設計に京都大大学院地球環境学堂・人間環境設計論講座の小林広英教授が携わった。照明デザインは牛込慎介さん(u.L.s株式会社代表取締役)。

 建物面積は168平方メートル。3部屋とシェアキッチン、図書茶室などを含む。6月30日まではプレオープン期間として、通常料金より15%引きの宿泊料金としている。2人宿泊で1人2万4750円(税込み)から。ホームページで確認できる。

 初日は内覧会を兼ねてオープニングイベントが催された。関係者、城戸陽二市長ら来賓、元所有者、地域住民らが参集。立派な完成を喜び、観光や交流の発展に期待を込めた。晴れの日を祝い、地元に伝わる無形民俗文化財「春駒」の披露、餅まき、餅つきなどが行われた。

 あいさつで蔡さんは「交流を深めて、外部の皆さんとのつながりのある場として育てていきたい」と表明、「妙高は四季折々の美しさと自然が豊かな里山なので、ぜひ皆さんの力を借りて、地元で採れた野菜や、訪れた方々との交流を楽しむ場として提供していきたい」と展望した。

 「この古民家宿は地域の皆さんや、訪れる人にとって特別な思い出の場所となり、第二の故郷、心に残る体験を提供できるように」と願った蔡さん。「皆さんの温かいご支援、ご協力なしでは本日のオープンは実現しなかった」と感謝の思いを伝えた。

来場者に内部が公開された
代表を務める蔡紋如さん(左)、服部純さん夫妻
地域住民による「春駒」の披露。迎えの行列に子どもも参加した