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「全てを変えていく」新潟に復帰の五十嵐圭選手(上越市出身)会見 クラブ再建へ覚悟 プロバスケB3リーグ

入団発表会見後、写真撮影に応じる五十嵐選手

 プロバスケットボールリーグBリーグ3部(B3)の新潟アルビレックスBBに、上越市出身の五十嵐圭選手(44)が4シーズンぶりに戻ってくる。B1群馬を退団し、2016~21年に5シーズン在籍した新潟に復帰する。1日に長岡市内のホテルで行われた入団発表会見では、クラブの立て直しという大きな挑戦を掲げた。鵜澤潤ヘッドコーチ(42)らと臨んだ会見の様子を紹介する。

 ―鵜澤HCと五十嵐選手は互いにどんなところを求めて、チームを復活させようと思っていますか。

 鵜澤 コート上での存在感、リーダーシップを求めたい。パフォーマンスで背中で引っ張るタイプの選手だと思っている。そこを期待している。

 五十嵐 鵜澤ヘッドコーチとは選手時代から、名古屋でも一緒にプレーし、自分が所属チームで一緒にやってきた選手の中でも一番長くプレーしてきた。年齢も一つ下、学生時代からお互いのことを知っている。自分自身のことを一番理解してくれている人間だと思っている。立場が変わった中で、新潟を再生、復権させるということでヘッドコーチを受ける話を聞き、新潟で指揮を執る力になりたいと思った。一緒に仕事をして復活させる思いで来ている。

 ―B1の舞台からB3の新潟に入団する決断に逡巡(しゅんじゅん)は。新潟に戻る決意は。

 五十嵐 B1群馬で3シーズン戦ってきて、目標としていた優勝に到達できず、自分自身もなかなかコートに立つことができず、難しいシーズンを過ごした。ただ、自分自身のキャリアの中でもないような経験ができた。

 そんな中、新潟からオファーを頂き、生まれ育ったふるさとでもあり、以前新潟では自分のキャリアの中でも一番いい時を過ごせた。B1で地区優勝を成し遂げることができ、思い入れはすごくあった。B1からB2、B2からB3に降格となり、悲しい限りだった。何かしたいという思いはあっても、できる状況ではもちろんなかった。

 自分自身のバスケットボールキャリアを考えると、残り少ないと思っている。自分自身がコートに立って、姿を見せながらクラブを再建させる。大きな仕事、そう簡単ではないと思うが、キャリアの集大成として、応援してくださる皆さんと共に自分たちが一番輝いた時期に戻れるように取り組んでいきたい。

 ―まずチームで手を付けたいところは。

 鵜澤 B3を戦い切って勝ち星を重ねて、まずはB2昇格。現場としてはここを改善していきたい。また、新しい新潟のカルチャーを構築していけたら。もともとプロチームのパイオニアとして歴史が長く、本来はBリーグをけん引するチーム。ここから早く上げていくことが一番大事だと思っている。

 五十嵐 全てだと思っている。コートの中で選手がしっかりと結果を残していく、B2に昇格するのはもちろん、それ以外も含めクラブがいろいろな部分で変わっていかなければ、このまま終わってしまうと思っている。どれぐらい変えられるか分からないが、選手としていろいろなことをやりたいと思って新潟に戻ってきた。一つ一つ、フロント、スタッフと一緒になって全てを新しく変えていく思いでやっていきたい。

 ―実際のプレータイム、パフォーマンスはどれぐらいできると思っていますか。

 五十嵐 44歳でどれだけできるんだ、本当に大丈夫なのかと思われている方が多いと思う。結果で証明していくだけ。結果を残す自信がなければ今この場にはいない。

 (群馬で)少し試合から遠ざかっている期間も2年ほどあり、この2年は自分が求めていたものではなかったが、いろいろな見方ができたり、コートに立っていない時にベンチから俯瞰(ふかん)で見ることもできたのでプラスになった。鵜澤ヘッドコーチに求められれば(フルタイムの)40分出るつもりでいる。そのぐらいの気持ちで、シーズンを戦える体づくりをやっていきたい。いつもより早く始動している。

 鵜澤 40分出てもらえるならそれに越したことはないが、長いシーズンを戦う上でけがのリスクを考え、ある程度コントロールすることも必要。圭さんの良さは長年培ってきた経験。経験してきたものをコートに還元し、それを見た若い選手が刺激をもらって成長できる、そういう環境にもなっていくと思う。

 ―地域やファンの方々へメッセージを。

 五十嵐 新潟で5年、群馬で3年を過ごした中で、地域や応援してくださる方々の力添えがなければ、クラブの発展はないなと感じた。新潟はプロバスケットボールのパイオニア、そのプライドを持ってやらなければいけない。見たい、応援したいと思っていただける、魅力あるチームをつくっていく。そのためには新潟アルビレックスBBに関わる全ての皆さんの力が必要。叱咤(しった)激励を頂きながら、また一からはい上がっていきたい。共に戦えることを楽しみにしている。