思いにふける、本を読む、話をする…。糸魚川市田海に週末限定で開かれる店「小さな図書館Ｃａｆｅ」。地域の人をはじめ来店者がそれぞれ安らぎの空間と時間を楽しんでいる。

　館主（店主）は八木一志さん（６８、上越市在住）。教員退職を機に令和３年１２月２５日にオープン。長く故郷を離れて教員生活を送ってきたことから「地元に恩返しを」との思いで、妻の元子さん（同）と共に、自身の生まれ育った場所で始めた。

　実家の納屋をリフォームして店内には多くの本を並べた。教育関連の書籍から小説、エッセー、コミック本まで多彩。店内での読書のほか、貸し出しも自由。メニューは３種類のコーヒー（３００円）と折々のお任せスイーツ（１００円）。１、２階で計１６席。

　退職までの１０年間は校長を務め、毎月の学校だよりに自身の思いを寄せた。冊子にまとめた最後のページには「集ってお話をしたり、聞いたりするコーヒー屋をやりたい」とつづった。有言実行。「教え子にも大人になったら来てと伝えた。それが後押しになって実現しました」と話す。

　開店から２年半。なじみ客も増えた。「皆さんに支えられ、私自身が癒やされている。気軽に来ていただき、気持ちを和らげ、穏やかに過ごしてもらえたら。いつでもウエルカムです」とにこやかに迎える。

◇講習会など催しで心身リフレッシュ

　館主と来店者同士のつながりの中から、催しなども行っている。６月２９日にはアロマヒーリングの講習会が開かれた。一般社団法人セラピスト協会エデュケーター・梅澤奈美子さん（上越市在住）を講師に迎え、２回に分けて計１６人が参加。１４種類のアロマから嗅覚に通る香りを選んでストレスチェックをし、香りによる心身のセルフケアを体験した。

　営業時間は、土曜は午後１時から、日曜は午前９時から。いずれも午後６時まで。問い合わせは八木さん（電０９０・４０１８・０９２８）へ。糸魚川市田海２８１。