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東北電力が2024年3月期決算発表 上越火力が収益押し上げ 稼働増で150億円改善

稼働により150億円の効率化効果があった上越火力発電所1号機

 東北電力(本店・仙台市)は4月30日、2024年3月期の決算(連結)を発表した。22年12月に営業運転を開始した上越火力発電所1号機(出力57万2000キロワット)の稼働により、150億円の収益改善効果があった。世界最高水準とされる高効率発電所が年間通じて運転したことで、効果を発揮した形だ。

 経常利益は2919億円で、1992億円の赤字だった前期から大きく回復した。燃料費調整制度のタイムラグ影響や電気料金の見直しが利益を押し上げたほか、上越火力1号機の稼働増や燃料調達を工夫したことで500億円の効率化効果があった。純利益は2261億円で、1275億円の赤字だった前年同期から3536億円増加した。

 25年3月期は燃料費調整制度のタイムラグ影響が差損となる見込みのため、減益を予想。一方で9月ごろに予定している女川原子力発電所の再稼働で燃料費の圧縮を見込む。同社は経常利益を1900億円、純利益1300億円と見込んでいる。