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新体制で甲子園目指す 情熱持って選手に接し 上越高野球部 新監督、部長が就任

上越高野球部を新しく指導する杉山部長(左)と池田監督
放課後の練習で、部員にノックする池田監督(中央)と杉山部長(右)

 上越高野球部の指導者が4月から新体制となり、新しい監督と部長の下で練習をスタートしている。春季高校野球県大会は4月26日に開幕を迎え、16日に抽選会が行われる。

 長野県の辰野や母校・長野商などで監督を務めた池田剛幸さん(53)が監督(保健体育科教諭)に、山梨県の東海大甲府でコーチだった杉山勇二さん(56)が部長(地歴公民科教諭)に就任し、部員を指導している。

 長野市出身の池田さんは長野県の松代で野球部顧問を務めていた昨年度、上越の野球部指導者(保健体育科教諭)の募集を目にした。これまで同県内の赴任先で秋季大会優勝(長野商)などに導いてきたが、「(甲子園の)夢半ばで終わりにしたくない。県立校だと転勤のたびに悔しい思いをしてきた。一つの所でじっくりとやりたい」。流れから長野県の私学で指導することも考えられたが、「しがらみなく、ゼロからやりたかった。偶然(募集を)目にして勝手に縁を感じた」と、ゆかりのない土地で勝負することを選んだ。

 部員と接し2週間ほど。礼儀正しく素直な子が多いと感じる半面、体がまだできていないとも感じている。練習では明るい雰囲気を打ち出して、「自分は子どもたちのモチベーター。子どもたちが意気に感じてやってやろうと。どれだけ勇気、挑戦する心を上げてやれるか。毎日ワクワクしている」と話す。

 早速、練習試合を行い「今年の3年生はすごく可能性がある」と伸びしろを捉えており、「選手のリズムを邪魔しないよう鍛えていきたい。勝つ味を味わわせてあげたい」と話す。部員は現在、新2、3年生で35人。「3年以内で部員100人、5年以内で甲子園に勝負できるチームを」と目標を口にする。

 横浜市出身の杉山さんは東海大甲府で8年、コーチと寮監を務め、昨夏の甲子園などに出場した。社会人野球の選手や鶴見大の外部コーチ、旅行会社勤務の経験もある。上越ではサッカー部員が入る寮の寮監も務める。

 「東海大甲府の村中(秀人)先生に誘われて日本一の監督にしたいと思い、やってきた」と、同監督の退任と合わせて退職。上越に一般公募で採用された。

 新しくコンビとなる池田監督とは面識がほぼなかったが、「情熱があり、知識や経験が豊富。池田先生と一緒に頑張って、先生の目標をかなえたい」と意気込む。神奈川に住む母親らの理解も得て、「ここ(上越)でやりきろう」と決意を固めている。

 2人の新しい指導者を迎え、橋本昊樹(こうき)主将(新3年)は「最初は心配だったけど、気を使っていただき、自分たちのペースで練習させてもらっているのでやりやすい。池田監督からは同じベクトルに向かう意識付けを教わっている」と印象を語り、「(前監督の)川田(淳)先生も学校で応援してくれている。先生に教わったことを生かしていきたい」と、これまでの教えも胸に心機一転、練習に臨んでいる。

 長く野球部顧問を務めた川田さん(59)は男子バスケットボール部の顧問に就いている。

放課後の練習で、部員にノックする池田監督(中央)と杉山部長(右)