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苦楽乗り越え1世紀 上越市100歳表敬訪問 気骨と感謝胸に 中川市長が長寿祝う

中川市長が三和区法花寺の青木實さんを表敬訪問
中川市長が大潟区和泉新田の竹内安代さんを表敬訪問

 「敬老の日」の18日、上越市の中川幹太市長が、同市で本年度100歳の誕生日を迎える青木實さん(三和区法花寺)、竹内安代さん(大潟区和泉新田)を表敬訪問。国、県、市の祝状と記念品を贈り、共に長寿を祝い合った。

 青木さんは大正13年1月5日生まれ。研究者を目指し東京大医学部に進学したが、在学中に肺結核を患い右肺や肋骨(ろっこつ)を切除。研究者の道は断たれたが、命をつないだことに「何でもやりたいという意欲が湧いた」という。昭和26年、戦後の農地解放で土地を失った家を支えるため、現在の「あおき味噌」を創業。数々の賞を受賞する同社の礎を築いてきた。

 よく通るはっきりした声で、自身の歩みを紹介した青木さん。健康の秘訣(ひけつ)は「みそやコメを食べること」と話し、中川市長とみそ料理の話題に花を咲かせていた。

 竹内さんは大正13年3月28日生まれ。千葉県出身で、6歳の時に同市にある父親の実家に移住。結婚し家業の稲作にいそしみ、2人の子ども、5人の孫、13人のひ孫に恵まれた。「苦しいこともあったが、くよくよしないで毎日を過ごしてきた」と振り返る竹内さん。今でも畑仕事に精を出し、近所とのおしゃべりを楽しみながら前向きに生活しているという。

 竹内さんは「祝ってもらえて最高の幸せ。よく食べ、精いっぱい働いて、100年も200年も生きられたら」と優しくほほ笑んだ。中川市長は「今の社会は皆さんにつくっていただいたもの。こちらこそ感謝、ありがたいことです」と述べた。

 市によると15日時点で、100歳敬老祝賀事業の贈呈対象者(大正12年4月1日~同13年3月31日の間に出生)は96人。また100歳以上は206人で、最高齢は109歳の女性という。

中川市長が大潟区和泉新田の竹内安代さんを表敬訪問