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消雪井戸から取水 水道供給渇水で緊急対応 妙高市が対策会議

矢代川橋(妙高市上四ツ屋)周辺の矢代川。一部に水たまりのように水があるのみで、流れは確認できない(16日午後2時40分ごろ撮影)

 妙高市は16日、渇水対策課長会議を同市役所で開いた。水道供給対応として市道消雪用の井戸から緊急取水を行うなど、部署ごとの現状や渇水対策を共有した。

 緊急取水を行うのは新井地区(南部を除く)9000世帯を対象とした水道で、同市白山町の市道消雪井戸から志浄水場までの約1・2キロに仮設の導水管を敷設。工事は16日から始まり、18日に完了予定。水質検査結果が判明次第、同日から原水を浄水場に供給する。供給量は1日当たり1000立方メートル。

 矢代川表流水からの水道用取水は通常5000立方メートルに対し、現状は2000立方メートル。現在は井戸などの予備水源で必要取水量を確保しているが、予備水源の余力がゼロとなっている。今後さらに矢代川表流水が減少する可能性が高いことから、緊急取水を行い、給水制限や断水などを回避したい考え。

 対象区域の住民に対しては5日から節水を呼びかけており、約5%の削減効果が確認されている。

 渇水による農業被害では新井地区、新井南部地区で一部水田のひび割れや、大豆と水稲の立ち枯れが確認されているほか、妙高地区で園芸ほ場の水不足が発生している。松山貯水池、恵ため池などで放流を行っており、松山貯水池は8月末まで、恵ため池は9月初旬まで放流を継続させたいとしている。

 農業者への支援として、ポンプ、ホース等の借り上げや購入費用の3分の2を補助。ポンプ運転の燃料費の2分の1を補助する。対象期間は7月21日から8月31日まで。畜産農業者を対象に冷房、散水設備および燃料費などの補助も同期間で行う。

 西澤澄男副市長は「市民生活の安全安心、安定を確保しなければならない」と語り、部署を超えた連携や市民の健康管理の徹底、農業水利の確保などを呼びかけた。

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