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「政策推進に影響」89% 処分は「辞職」88% 上越市・中川市長失言問題 上越タイムス社アンケート

 上越市の中川幹太市長が18日の市議会本会議で失言したことについて、上越タイムス社は23日から27日にかけて行ったアンケートの結果をまとめた。今回の失言が市のブランドや政策推進に「影響を及ぼす」とした回答は、全体の88・9%だった。中川市長の処分について「辞職が適当」とした市民は88・1%に上った。

 調査は紙上に掲載した2次元コードとホームページ内のリンクからアンケート画面にアクセスしてもらう方法で行い、10代から80代以上の118人(同市在住106人、市外在住12人)から回答を得た。ほかにファクスや電話で6件の意見が寄せられた。

 失言が市のブランドや政策推進に影響を与えるかについて、「影響がある」としたのは72・0%、「やや影響がある」としたのは16・9%だった。処分については「辞職」とした回答が圧倒的で、中川市長が自身の処分として検討している「減給処分」は5・1%にとどまった。

 「中川市長の発言をどう感じたか」について選択肢から選ぶ方式で聞いたところ、「あきれた、またかという思い」が最多。就任後相次いできた失言、おわびの繰り返しが市民に浸透していたとみられる。次いで「高卒で仕事に就いた人のプライドを傷つけた」、「(市長)本人の率直な思い(思想)が出た」が続いた。

◇90%がおわびに納得せず

 中川市長は21日、市議会本会議終了後に議場で議員と中継カメラに向け3度頭を下げて陳謝したが、この対応で「納得した」「やや納得した」としたのは7・6%だった。全体の83・9%が「納得できない」、5・9%が「やや納得できない」と回答。中川市長の「おわびの気持ち」が市民にほぼ伝わっていないことが浮き彫りになった。

◇市議会の対応 評価しない66%

 中川市長の失言を眼前で聞き、その後抗議文を出した市議会の対応についても聞いた。一連の対応について「評価しない」「あまり評価しない」とした回答が66・2%で、「評価できる」「ある程度評価できる」の29・6%を大きく上回った。評価できない理由は「問責決議案の否決」が最多だった。

◇厳しい意見やマスコミ批判も

 コメント欄には中川市長への厳しい意見や失言を受けての思い、マスコミ批判などが寄せられた。一部を紹介する。

 「自分が住んでいる市の市長が、高卒で働いている人の事をそう思っているのかと思うと情けない。その高卒者が納税して、あなたの給料になっていることを忘れずに」

 「個人の思想は人それぞれではあるが、オフィシャルの場面で差別的に捉えられるような発言が口から出てしまうような緊張感のない人格では市長としては適さない」

 「市長の姿勢にも納得しませんが、問責決議に反対した市議や会派の姿勢も理解できません。毅然(きぜん)とした態度を取れない議会にもガッカリ」

 「メディアが取り上げるほど重要なことだとは思います。ただ、取り上げることでまた大きくなり、真意を知らない方も面白おかしく言い、批判も高まると思います。市長さんに対して周りがサポートするとか、協力するとかが大切なのではないか」