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臨時バスを運行 新幹線との接続を充実 潜在需要探る 大糸線活性化協議会

会議終了後、報道陣の取材に応じる糸魚川市の米田市長(左から3人目)ら

 JR西日本の大糸線糸魚川―信濃大町(長野県大町市)の沿線自治体と新潟・長野両県、JR西で組織する「大糸線活性化協議会」の総会が8日、糸魚川市大町1のヒスイ王国館で開かれた。

 本年度は国内外から観光客が訪れる白馬(長野県白馬村)と糸魚川を結ぶバスを運行し、北陸新幹線との接続を充実させ、潜在的な需要を把握する。

◇沿線自治体など 1億2000万円負担

 沿線自治体と両県、JR西で約1億2500万円を投じる。バスは現状大糸線と北陸新幹線のダイヤが合わない4本に絞り、JR東の白馬(長野県)―糸魚川間を各駅停車で運行、同時に利用状況調査を行う。運行は6月から来年3月末までを予定している。

 北陸新幹線開業の3月以降、速やかに事業を行わなかったことについて、長野県大町市の牛越徹市長は「4、5月はウインターシーズンからの端境期。夏に向けしっかりやろう、ということで6月からにした」と答えた。

 JR西によると大糸線南小谷―糸魚川間の2020~22年の路線区間の平均収支率は2・6%。100円稼ぐのに3800円余りが必要な状況で、極めて収益性に乏しい。

 協議会会長を務める糸魚川市の米田徹市長は「持続可能な路線となるよう一生懸命取り組む」と述べた。

 JR西金沢支社の漆原健支社長は「北陸新幹線が敦賀まで開業し利用状況も好調。一方で大糸線の利用状況は非常に厳しい。持続可能な路線方策実現に向け議論を早急にまとめなければならない。今回は相当な覚悟を持って活性化に取り組む」とした。