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拉致問題解決へ提言 拉致被害者蓮池薫さんが講演 上越タイムス広告会

講師を務めた蓮池薫さん

 上越タイムス広告会(相澤吉久会長)と上越タイムス社(大島誠社長)は10日、上越市西城町3のデュオ・セレッソで本年度の総会と講演会を開いた。北朝鮮による拉致被害者の蓮池薫さん(66、新潟産業大特任教授)が講演会の講師を務め、「拉致問題の真相と解決への道」と題して語った。

 北朝鮮が平成14年に拉致問題を認めた際、北朝鮮側が死亡したと発表した8人について、「8人とも生存していたと思う。現在も生存していると期待している」と蓮池さんは話した。

 食料や医療などの人道支援の見返りとして拉致問題解決を迫る日本政府の方針を支持。北朝鮮にプレッシャーをかける手段として、期限を決めることを提言。期限は横田めぐみさんの母の早紀江さん、有本恵子さんの父の明弘さんが存命のうちとした。蓮池さんは「親子が会ってこそ、という考えを皆さんと共有したい。個人を犠牲にした外交の成果に何の意味があるのか」と語った。

 拉致問題を最後まで諦めず追及し、被害者を取り戻すことが自身のやるべきことだと表明。「先に国交正常化をすれば被害者が帰ってくるという考えは幻想。(日本側が)先に譲歩することを防いでほしい」と聴講者に呼びかけた。