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街中に旬の味届ける 京ケ峰の中村きみ子さん 野菜の無人販売「たんぽぽ農園」 本町通り商店街で週1 糸魚川市

毎週金曜に朝採り野菜を販売する中村さん。陳列のタイミングで対面販売も。通常は無人で開設している

 糸魚川市の本町通り商店街の一角に週に1度、野菜の無人販売「たんぽぽ農園」が開く。雁木下の小さな手作りスペースに新鮮な旬の野菜が並び、地域住民らが足を止めて買い求めていく。

 キャベツにタマネギ、サヤエンドウ…、朝採りのみずみずしさが目を引く。1束、1袋、どれも100円。「買ってくれる気持ちがうれしくて」。同市京ケ峰の中村きみ子さん(71)が無農薬で育てている野菜を収穫し、販売している。

 無人販売は知り合いの旧店舗先を利用して平成28年春から始めた。この年の12月、年末最後の販売を終えた後に駅北大火が発生。街の復旧が進む中、翌年の春には販売を再開して続け、今年9年目を迎えた。

 開設は4月から12月までの毎週金曜。時間は午前10時30分ごろから午後5時まで。毎回、ほぼ完売。小銭を持って立ち寄るなじみ客もいて、精算箱には「おいしくいただいています」「また来ます。楽しみにしています」などメッセージも寄せられる。無人販売とはいえ、「買ってくれるお客さまの顔重視。張り合いになる」とにこやかに話す中村さん。

 もうすぐ夏野菜のシーズン。大地のパワーをもらっておいしい野菜作りに励む。