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運賃の値上げ検討 小木―直江津航路 誘客活動さらに 佐渡汽船

来年にも運賃を値上げする考えを示した佐渡汽船の尾渡社長(左)

 県と佐渡汽船、上越市をはじめとする就航自治体などでつくる「佐渡航路確保維持改善協議会」の会合が4日、佐渡汽船万代島ターミナル(新潟市中央区)で開かれた。佐渡汽船の尾渡英生社長は会議終了後、報道陣の取材に応じ、来年にも運賃の値上げを行いたい考えを示した。

 尾渡社長は「現行運賃は1996年の認可から28年経過している。物価が上昇し、輸送人員は回復しているものの当時の水準には及ばない。航路維持、事業継続の観点から値上げをしたい。今後、国と協議したい」とした。

 会議は非公開。県交通政策局によると佐渡汽船の輸送実績、「佐渡島の金山」が世界遺産登録された場合の利用促進策などについて議論が交わされたという。尾渡社長は小木―直江津航路について「まだ貨物・旅客とも輸送量が少ない。昨年は利用客7万1000人、車両航走台数1万5000台だったが、コロナ禍前の2019年を下回っている。県、市と共に誘客活動を進めていきたい」と述べた。

 世界遺産登録に伴う利用促進策について、県交通政策局の太田勇二局長は「過去に世界遺産登録された場所を見ると、登録後1年から数年は相当の旅行客が訪れると考えている。持続可能な航路にし、佐渡に人をどんどん呼び込むよう、関係者が協力して進めていきたい」と話した。