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剰余金3億6000万円に 合併後初総代会 枝豆選果設備更新へ JAえちご上越

合併のほか元日の能登半島地震、昨年産米の記録的な品質低下に触れる羽深会長
農業賞を受賞した個人農業者と法人の代表者

 JAえちご上越は5月31日、上越市の上越文化会館で合併後初の総代会を開き、本年度の事業計画を承認した。

 2023年度のJAえちご上越(JAひすいとの合併前)の決算は、各事業部門の利益を合算した「事業総利益」が前年度とほぼ同額の64億円。事業総利益から管理費を差し引いた「事業利益」は同33%減の2億6000万円、最終利益に相当する当期剰余金は同32%減の3億6000万円だった。剰余金のうち7100万円余りを出資者に配当し、残余の多くは地域農業振興や施設整備のため積み立てる。

 同JAは本年度、米販売先との複数年契約を増やすことで農業者にJAへの出荷を促すほか、合併のメリットを引き出すため枝豆、越の丸ナスといった旧えちご上越、旧ひすいの管内で盛んに栽培されている農産物の生産拡大を目指す。実現に向け、上越市藤巻の園芸拠点集出荷施設内にある枝豆の色彩選別、洗浄、冷却機能を有する選果施設を更新する。

 経営管理委員会の羽深真一会長は「食料・農業・農村基本法が25年ぶりに改正された。農業に明るい未来を示してくれると期待している。食料安全保障や適正な価格形成などについて、JAグループ挙げて政府に要望していく」と述べた。

◇「農業賞」に2氏と3団体

 JAえちご上越は同日、地域農業に優れた業績を上げた生産者や団体に贈る「JAえちご上越農業賞」の表彰式を行った。

 糸魚川市高倉の橋立春雄さんは、越の丸ナス栽培の草分け的存在。栽培技術の確立に向け研さんを重ね、市場ニーズ把握や市場関係者の信頼獲得に努めた姿勢が評価された。今後も生産活動を続けながら、栽培技術の継承と後進の育成に取り組むという。

 ほかの受賞者は次の通り。敬称略

 ▽営農きじま(上越市東木島)▽佐藤勝幸(柿崎区坂田新田)▽ファーム直峰(安塚区松崎)▽藤沢(中郷区藤沢)▽橋立春雄(糸魚川市高倉)

農業賞を受賞した個人農業者と法人の代表者