文字サイズ

日本選手権陸上女子1万メートル 小海選手、激走2位 妙高市でPV

テレビ画面越しの小海選手に向かって大きな声援、拍手を送る恩師や市民、関係者ら
レース会場、静岡スタジアムの大型ビジョンに映し出された表彰式で、2位の小海選手(左、中学時代の顧問、北川智也さん提供)

 パリ五輪出場内定を懸け陸上競技の日本選手権大会女子1万メートルに出場した妙高市出身の小海遥選手(21、第一生命グループ、新井中―宮城・仙台育英高出)を応援するパブリックビューイング(PV)が3日夜、同市役所1階コラボホールで開かれた。恩師や関係者、市民ら約60人が集まり、テレビ画面越しに大きな声援と拍手を送り、激走を後押しした。

 同選手は昨年12月の日本選手権同種目で日本歴代7位の30分57秒67をマークするなど成長著しく、パリ五輪の有力候補となった。この日は序盤から五島莉乃選手(26、資生堂)の後ろを走る形でマッチレースの様相に。だが、中盤あたりから離され始め、31分10秒53の2位でフィニッシュ。参加標準記録(30分40秒00)を突破して優勝という代表入りの条件には及ばなかった。優勝は五島選手で30分53秒31。

 PVは同市と市スポーツ協会、市教育委員会が主催。会場には「妙高市からパリへ~全力疾走~」の横断幕を掲出。レース序盤からスティックバルーンを打ち鳴らし、後半必死の形相で粘る小海選手に「はるか、がんば」の声援が飛んだ。

 新井中時代の恩師も前列で応援。同選手在学時の校長だった川上晃さん(66)は「頑張りを見ていて、涙が止まらなかった」と熱いものが込み上げ、「当時は物静かでおとなしい子だったが、陸上の舞台に立つと底知れぬ力を発揮する。秘めたエネルギーがすごかった」と振り返った。当時の陸上競技部顧問、矢坂哲さん(55、現・直江津中教頭)は「諦めない走り、必死の表情、いろいろな思いを持って走ったと感じた。とても感動した。最高の走りを見せてくれた。これからも期待している」とたたえ、エールを送った。

 新井中央小―新井中の同級生という渡部葵莉さん(21)は「中学時代の同級生が大きな舞台で走って、妙高市を盛り上げてくれた。最後まで諦めない走りで、見ていて感動した」と込み上げる思いを表した。

 小海選手は同種目で世界ランキングでの五輪行きの可能性を残す。また、5000メートルでの出場も目指している。

レース会場、静岡スタジアムの大型ビジョンに映し出された表彰式で、2位の小海選手(左、中学時代の顧問、北川智也さん提供)