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重要文化財「大日如来坐像」 貴重な仏像 特別御開帳 上越市五智国分 岩殿山明静院で

大日如来坐像を特別御開帳。内陣に入り、間近で見ることができる(許可を得て撮影)

 上越市五智国分の岩殿山明静院(長谷川英明住職)は5日まで、重要文化財「大日如来坐像」の特別御開帳を行っている。開場時間は午前9時から午後5時まで、拝観料500円。

 岩殿山は大国主命と奴奈川姫が新婚生活を送り、息子の建御名方命(諏訪大社祭神)が生まれた地と伝わっている。寺院の開山は奈良時代。僧の行基によるものといわれ、大日如来坐像は同時代に作られたとされている。

 御開帳は例年、正月に行っている。昨年からは「より多くの人に坐像について知ってもらいたい」との思いからゴールデンウイークにも実施。同時季の御開帳は2回目となる。

 坐像はカヤの一木造り、高さは台座を除いて1・45メートル。江戸時代に補われた装飾品のほかは当時の姿を今に伝えている。期間中は昭和28年の解体修理で交換された一部部材を展示。拝観の際は長谷川住職(62)が岩殿山や坐像の由緒などについて説明する。

 長谷川住職は「この機会に、ぜひ間近で坐像の造り、優しげな表情を見てほしい」と呼びかけている。