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競技人生「ものすごく幸せ」 ソチ五輪ジャンプ団体銅メダリスト清水礼留飛選手(30)札幌で引退会見 五輪メダル夢かなう 4月から営業マンに

雪印メグミルクスキー部キャプテンとして後輩選手から花束や写真を贈られ、笑顔を見せる清水礼留飛選手(中央)。この後、愛する妻や娘からのねぎらいもあった

 ノルディックスキー・ジャンプ男子、2014年ソチ五輪団体銅メダリストで今季限りでの現役引退を発表した妙高市出身の清水礼留飛選手(30、雪印メグミルクスキー部、新井高出)が16日、札幌市・大倉山ジャンプ競技場で行われた伊藤杯シーズンファイナルナイタージャンプ大会に現役選手として最後の勇姿を見せた。競技前に引退会見が行われ、「今日までスキージャンプを続けてこられてものすごく幸せ」と話した。4月からは社業に専念し、営業マンとして活動するという。

 引退会見では「礼留飛スマイル」を見せつつ、新潟県民や妙高市民への思いを問われると涙を浮かべる場面もあった。冒頭紹介の後「今シーズンをもって現役生活にピリオドを打つことになった。今日までスキージャンプを続けてこられてものすごく幸せ、出会った全ての方々に感謝したい。ジャンプを通して経験したことを今後の人生に生かし、4月からは営業マンとしてスキー部とは違った形で会社にしっかりと貢献して、必要とされる人材になれるよう頑張ります」と話し、感謝の思いを示した。

 報道陣との質疑応答では、印象に残っている大会に2014年のソチ五輪を挙げ、「オリンピックでメダルを獲得し、小さい頃からの夢がかなった。競技人生で一番インパクトが強かった」と、10年前の輝かしい舞台を思い返した。

 逆に苦しかったこととして「オリンピックでメダルを取った後、世界で戦うために自分のスタイルを大きく変えたがしっくりこなかった。前の自分に戻そうと思った時にもう戻れなくなっていて、一からジャンプをつくらなきゃいけない状況になったのが一番苦しかった」と振り返り、「そこから長い間、世界の舞台に立てず、国内でもいいジャンプができなかった」とつらい胸の内を明かした。昨春には「今年一年がラストという気持ちでスタートした」と、今季限りでの引退を考え始めたという。

 新潟県民や妙高市民へのメッセージでは「苦しかった時期に背中を押していただき、調子が上がらない時にまだいける、また強い礼留飛選手を応援していますと言われた時は…、頑張れたかなと思います」と言葉を詰まらせながら話した。

 「現時点では第一線で飛ぶのはここで終わりというのは明確だが、ジャンプは趣味でも飛ぼうと思えば飛べる。(大会に)出てみたいという時がきたら、目指してみたいという思いは持っている。期待して僕の帰りを待っていただければ。何回でも復活するので」と笑みを浮かべて約束した。