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生産者・消費者 持続可能なつながりを 櫛池農業振興会 食料・農業・農村講演会in清里 地域の在り方考える

講演する青山准教授。農産物の適正価格での販売や、消費者との持続可能なつながりづくりを勧めた

 「食料・農業・農村講演会in清里」が23日、清里区の清里コミュニティプラザで開かれた。地域内外の住民や農業関係者ら約50人が参加し、持続可能な農村地域の在り方や次世代も暮らしやすい地域づくりなどを考えた。

 主催団体の櫛池農業振興会によると、清里区の人口は2040年には4割減少する見通しで、農業、集落の存続が危ぶまれるという。惣塚泰次会長は「人が減り、高齢化も進むなど中山間地域は特にどうなるか。これまでのような農地維持だけでなく、農村をどう維持するかという段階にきている」と話した。

 会場では新潟食料農業大の青山浩子准教授が「清里らしい持続可能な農業・農村づくりとは」と題して講演。清里区について地域を生かした農業や担い手間の連携、川崎市との交流といった消費者との接点など、農業に関する取り組みを高く評価した。

 その上で「清里の強みを生かすには、コスト削減と大局的な戦略が必要」と分析。新そばまつりの安い価格設定を適正にすることや、生産量が多いオータムポエムのおいしい食べ方発信などのアイデアを挙げ、「もうけるより価値に見合った価格を頂くことを考えて。支払う価値のある価格がマッチすると、生産者は生産、消費者は購入が持続可能になる。農業、農地、地域の持続可能について多角的に考えてほしい」と結んだ。

 会場からの質問には新卒採用を希望する農家に対し、農業法人の採用活動時期が遅いため、早めの採用準備を勧めるなど、大学側の視点で助言も行った。