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農家にとって「死活問題」「できる支援最大限に」 中川上越市長が渇水被害視察

中川卓夫さん(3人の一番奥)から説明を受け田んぼを視察する中川市長(同中央)。すでに田んぼの底がひび割れたり、稲が枯れたりする被害も出ていて、早急に対策を検討すると答えた

 上越市の中川幹太市長は16日、牧区坪山で渇水などによる農作物の被害状況を視察した。農業者による案内を受け、枯れた田や稲などの現状を確認するとともに、速やかに対策を講じるとした。

 同日、案内を務めた地元住民の中川卓夫さん(82)は長男と共に、同所でコメ約12ヘクタール、ソバ約14ヘクタールを栽培している。このうち、地域に整備されたため池周辺ではコシヒカリ、新之助、みずほの輝きといった米品種を8ヘクタールの田で育てているが、7月の梅雨明け以降、まとまった雨が降らず、ため池の水位は2メートルから0・6メートルまで低下。自分たちでもため池を掘って対応しているが、あと数回しか田んぼに水を供給できない状態だという。

 すでに5~6ヘクタールで稲の部分枯れや田んぼのひび割れが確認されている。コメは7月まで生育は順調で、このままいけば豊作が期待されていたが、雨が降らないとコメにひびが入る「胴割れ」、白化する「白子米」などといった品質低下につながり、価格も一等米の3分の1程度になるなど、農家にとって死活問題だという。

 自身も谷浜・桑取地区で農業に携わった経験のある中川市長は、すでに実施しているポンプや燃料費の助成に加えてさらなる支援を検討。「担当課と相談し、できる支援を最大限していかなくては」と述べた。特にひび割れは、土砂災害や来年以降の農業にも影響するため、早急な対策を講じる考えを伝えた。

 視察を終え、中川さんは「現状を見てもらう良い機会だった。直接要望を伝え、聞いてもらい良かった」と話し、今後の対策を願った。

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