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女性スタッフ現場巡回 勤務意欲向上へ長所見つけ現場に還元 上越市の大島組

現場スタッフの仕事の工夫や安全対策について聞き取る女子パトロール隊(21日)

 総合建設業の大島組(上越市石橋1)が、管理部門の女性スタッフによる現場巡回「女子パトロール」を導入した。危険要因を見つけ出す「安全パトロール」と異なり、現場スタッフの勤務意欲向上や現場と管理部門の円滑なコミュニケーションを目的に行っている。

 女子パトロール隊は1月から月1、2回現場を巡回。施工に関する工夫や安全対策、衛生管理の良い点を見つけ、努力を褒め、現場にフィードバックするのを主な任務としている。大嶋正寛社長が呼びかけて始まった。企画を担当する総務部の布施知佳さんは「自分が頑張っていることを(他の人から)認められるのは、誰もがうれしい。モチベーションの向上につながれば」と話す。管理部門にとっては、現場の仕事を知る貴重な機会で、互いの仕事を理解し合うことにもつながる。

 21日は4人が同市下名柄の県道の歩道整備工事現場を巡回。施工に関する工夫や環境配慮の取り組みを聞き取った。現場は緩いカーブで、走行車両は停止位置に気づきにくい。そのためカーブの手前から予告看板を出している。それに気づいたパトロール隊が現場担当者に話を聞き、工夫に称賛を送った。関連会社、勝建設(同)の大島静子社長は「現場からは歓迎されている。資料を用意してくれたり、巡回を希望する現場もある」と手応えを語る。

 女子パトロールは現場、役員からも好評だ。布施さんによると、現場から「現場が明るくなっていい」「頑張りを見てもらえるとうれしい」といった反響、役員から「建設業は人手不足。さまざまな形で女性が活躍してくれることに期待している」といった声が寄せられているという。 

 5月には熱中症の発生件数が全国的に上昇し、各現場へ塩分補給のタブレットを配布するなどの声掛けも行った。布施さんは「啓発、イベント的な活動も行っていきたい」と話している。