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オニバス復活へ力合わせ 三和中3年生 谷内池で泥すくい、種子採取など 各団体と協力し作業

気温30度を超える中で池の底から泥をすくうのは重労働。各団体と協力して作業を進めた
泥を洗ってオニバスの種を探し、110個ほどが見つかった

 上越市立三和中(佐藤則子校長)3年生42人は20日、学校に隣接する谷内池でオニバスの種子採取などを行った。活動には三和の自然と地域を育む会、新潟県生態研究会も協力。オニバス復活に向け、各作業に取り組んだ。

 谷内池は県内有数のオニバス群生地として知られ、1984年には県自然環境保全地域に指定された。その後は減少が続き、2012年以降は発生が確認されない状況が続いていた。

 同校は21年度から、総合学習などの一環として各団体と協力し、オニバス復活に取り組んでいる。20日は、谷内池の底から泥をすくう班、泥を洗ってオニバスの種を探す班、池の生態系に影響を及ぼすアメリカザリガニの捕獲わなを設置する班、発芽したオニバスを学校のプールに移す班に分かれて活動した。

 池の底は泥が堆積して不安定で、ドレンで力を込めて泥をすくい上げるのは重労働。作業を終えた北山桜雅君(15)は「大変な作業だったが、自分たちの活動で地域の池にかつて見られた花が戻ってくれたらうれしい」と話した。

 三和の自然と地域を育む会によると、同日見つかったオニバスの種は110個ほど。今後の人工繁殖や観察などは、中学校と検討していくという。昨年と今年、池で実施したしゅんせつ工事の効果もみられたほか、たるで育てて発芽した18株をプールに移した。佐藤正春会長は「順調にいけば、プールでも池でも水面に咲く『開放花』が見られるのでは。直接種をとることも期待できる」と、成果を心待ちにしていた。

泥を洗ってオニバスの種を探し、110個ほどが見つかった