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こども食堂の防災学ぶ 全国こども食堂支援センター・むすびえ講師に研修会 県内初

実習では参加者がこども食堂の運営役と子ども役に分かれて火災から避難。呼びかけや人数把握をどうするかなどの課題が浮かび上がった

 認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえによる「こども食堂防災研修」が16日、上越市春日山町3の春日謙信交流館で開かれた。上越地域のこども食堂や行政関係者ら約40人が出席して、災害時の対応などを学んだ。

 同法人は全国でこども食堂の防災拠点化へ協力し、学び合いに取り組んでいる。今回、新潟こども食堂・居場所ネットワークにこねっと(事務局・くびき野NPOサポートセンター内)が、こども食堂関係者の交流会に合わせて研修を依頼。県内初の防災研修会が実現した。

 同法人によると、2020年から活動を展開する中、元日の能登半島地震後、防災研修を望む声が高まっているという。講師を務めた防災士の久保井千勢さんは、多世代交流の場で衛生管理や大量調理に慣れているなど、「こども食堂には防災の下地が備わっている」と指摘。こども食堂の情報や周辺の災害リスクなどを日常から把握、共有しておくことや、便利な防災アプリの活用方法などを説明した。また、「100%の1人より、30%の3人」と説き、災害時こそ余力を持ち、得意分野で協力し合うことの大切さを呼びかけた。

 講演後の実習では、こども食堂運営時の火災を想定した避難訓練を実施。参加者が運営役と子ども役に分かれ避難したが、子どものパニックも再現され、課題も浮き彫りとなった。「いちょう食堂」(上越市南本町3)の金子光洋さんは「元日の地震を受けて、日頃から地域とのつながりづくりの大切さを再認識した。子どもの避難については、一人一人に合った呼びかけをどうするか考えさせられた」と語った。