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「日本盲教育史研究会」上越市訪問 高田盲学校・高田瞽女、ゆかりの地見学

高安寺にある大森隆碩の墓を訪れた一行
瞽女ミュージアム高田で高田瞽女についての解説を聞いた

 日本盲教育史研究会(伊藤友治会長)は25日、ミニ研修会で上越市を訪れた。日本で3番目に開校した高田盲学校や盲目の女性旅芸人、高田瞽女のゆかりの地を見学した。

 同会は盲教育の研究者や盲学校の教員、福祉施設の職員らで2012(平成24)年に結成された。会員は約170人。毎年、総会や日本各地を訪れミニ研修会を行っている。この日は伊藤会長ら17人が参加した。

 一行は初めに同市寺町3の高安寺(百目鬼洋一住職)で、高田盲学校を開校した大森隆碩(りゅうせき)の墓を訪れた。案内役を務めた高田瞽女の文化を保存・発信する会の小川善司事務局長が墓の隣にある解説文を読み上げた。一行は盲教育の先駆者の墓に手を合わせ、視覚に障害がある参加者は触って感触を確かめた。

 その後、同市東本町1の瞽女ミュージアム高田に移動し、小川事務局長から瞽女の暮らしや高田の雁木、町屋についての説明を受け、高田瞽女の記録映像を鑑賞した。午後は同市立歴史博物館(同市本城町)で開かれている特集展示「高田盲学校資料展」を観覧。その後、同校の校舎を活用している福祉交流プラザ(同市寺町2)で盲学校の資料を集めた顕彰コーナーを見学した。

 同研究会の岸博実事務局長は、同校の元教員で『ふみ子の海』を著した故・市川信夫さんと親交があり、何度か上越を訪れている。「高田盲学校は日本で3番目といわれているが、ろうあ学校などと一緒ではない単独の盲学校としては日本で初めてだと個人的には考えている」と話した。

 小川事務局長は「高田瞽女が全国に広がってきてうれしい。また大森隆碩の墓が高安寺にあることを今回初めて知った。上越を代表する偉人なので、今後広く知られてほしい」と話した。

瞽女ミュージアム高田で高田瞽女についての解説を聞いた