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糸魚川市大和川・ペンション・クルー 「サイクリストに優しい宿」に 市内で初めて認定 サイクルツーリズム 官民協力し満足度向上へ

新潟県の「サイクリストに優しい宿」に認定された「ペンション・クルー」。市商工観光課の大嶋梨紗主事、県糸魚川地域振興局の宮越繁洋主任、岩崎智社長、自転車店の伊藤達也さん(右から)の4者が協力してサイクリストの受け入れ環境、サービスを整えた
和室の客室に自転車を持ち込み、安心して〝愛車〟と宿泊できる(ペンション・クルー、ポスター)

 糸魚川市大和川の宿泊施設「ペンション・クルー」(岩崎智社長)が県の「サイクリストに優しい宿」に認定された。同市で初めて。

 同認定は、豊かな自然環境や地形を生かしたサイクルツーリズムを推進している県の取り組みで、県内を訪れるサイクリストの満足度向上や歓迎する地域としての機運醸成を図ろうと実施している。県内のホテルや旅館、民宿などが認定を受けており、同ペンションが加わり19施設となった。県糸魚川地域振興局地域振興グループの宮越繁洋主任は「サイクリストウエルカムのムードをつくってもらいたい」と期待する。

 創業28年目。釣りや海岸での石拾いなど、体験型観光に力を入れている。14年前にインバウンドツーリズムの受け入れを開始し、サイクリングのプランも始めた。同市大町1の自転車店「伊藤商会」と連携して取り組むレンタサイクルは外国人宿泊客らに好評。同市では海沿いを走る久比岐自転車道が観光客やサイクリストに人気のコースとなっている。

 今回の県認定の申請に至っては認定条件の一つ、スポーツバイク対応の空気入れや修理工具の貸し出しに同店の助言、提案を受けてそろえた。市の「サイクリスト受入環境整備事業補助金」を活用した。同店の伊藤達也さん(53)は「出先では使う道具が違う。何があると便利か、今後もブラッシュアップをしていきたい」と協力する。

 また、和室の客室に自転車を置くマットとスタンドを備え、自転車を組み立てた状態で客室に持ち込み可能などとする条件も満たした。〝愛車〟と一緒に安心して泊まれる環境を整える。

 最近、自身も自転車で街乗りを始めたという社長の岩崎さん(48)。「サイクリストの気持ちが分かるようになった。風や匂いを感じ、身近で小さな観光が楽しめる」と魅力を語る。国内外のリピーター、滞在期間の増につなげていきたい。「サイクリストを受け入れる宿が市内に増えてほしい」と願う。

 「いといがわサイクルプラン」(2食付き)はプレミアムプラン(客室駐輪)1万3196円、スタンダードプラン(軒下駐輪)1万500円。いずれも税込み。予約、問い合わせはペンション・クルー(電025・550・1125)へ。

和室の客室に自転車を持ち込み、安心して〝愛車〟と宿泊できる(ペンション・クルー、ポスター)