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伝統の作業今年も 大スギのしめ縄作り 浦川原区虫川の白山神社 春祭りに合わせ新調

男性陣が「よしっよしっ」とかけ声を上げながら稲わらの束をより合わせた
女性陣が談笑しながら小さな束を作った

 浦川原区虫川の白山神社で28日、敷地にある国指定天然記念物「虫川の大スギ」の新しいしめ縄作りと取り付け作業が行われた。

 しめ縄は同神社で毎年4月29日に春祭りが開かれるのに合わせ、前日の28日に地元の虫川自治会が新調している。

 今年の作業は地元住民や「虫川の大スギを守る会」のメンバーら約40人が参加した。大スギの幹回りは約10・6メートルあり、しめ縄の長さは結び目を含めて約16メートルが必要となる。女性陣は地元で収獲した稲わらを小さな束にし、男性陣が3束により合わせてねじりながら編み、約2時間をかけて太く長いしめ縄を作り上げた。

 この後は新たなしめ縄を大スギに巻き付け、紙垂(しで)を付け結び目を整えて完成。併せて神輿(みこし)の準備や神楽舞台作りなどを行った。

 同自治会の前島生典会長(68)によると、コロナ禍中は年によって神楽などの中止を余儀なくされたが、しめ縄の新調は途切れることなく行ったという。「大スギの樹齢は1200年以上といわれている。これからも春祭りを通じ、五穀豊穣(ほうじょう)と大スギが1日でも長くあり続けることを願いたい」と話した。

女性陣が談笑しながら小さな束を作った
春祭りを前に、しめ縄を新調した