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今後に備え情報確認 地震・津波 有効な避難行動へ 能登半島地震 上越市が連絡調整会議

国、県などの関係機関、有識者が出席。能登半島地震における市内の被害と復旧状況の共有と、今後も想定される地震、津波への備えについて考えた

 上越市は16日、能登半島地震に関する連絡調整会議を開いた。関係機関、有識者による元日の地震に伴う災害復旧状況の共有や、今後に想定される津波等について理解を深め、市民の避難行動につなげることを確認した。

 県直江津港湾事務所は、釣り場として開放する第3東防波堤での避難計画を検討。津波到達まで15分、先端部では陸地まで約1キロあるため、車での避難も想定。管理団体、市とも協議して、3月1日の開放開始までに津波ハザードマップを受付で掲示し、それ以降は路面、壁面での表示、大型スピーカー設置なども検討していくとしている。

 新潟地方気象台の相川達朗地震津波火災防災情報調整官は「地震の回数は徐々に減っているが、これまでの活動を踏まえると当分続くと考えられる」と、今後1週間程度は最大震度5弱程度以上の揺れに注意を呼びかけた。

 新潟大災害・復興科学研究所の卜部厚志教授は自家用車による避難が渋滞につながったことに触れ、「防災の在り方は固定概念を捨てること。良い作戦と練習を考えないと大混乱になる」とし、「今回の件が切り替えていくチャンスだと思う」と指摘。津波からの避難のほか、石川県珠洲市の調査で家屋倒壊が目立ったことから耐震化の必要性を訴えた。

 上越市危機管理課の柳時夫危機管理指導官は、市の津波ハザードマップについて今回の地震が発生した断層より上越に近い断層(F41)での地震、津波発生を想定したと説明。「近くの高台、津波避難ビル、自宅の上階へ避難行動を取れば命は助かる」と述べた。一方で、今回の地震で高齢者や障害者などの要支援者の避難が課題だったとし、原則徒歩での避難行動でも車の使用も検討。対象者の絞り込みや避難経路、目標地点も考え、「いかに有効な避難行動につなげるか、今後、市民と話し合って訓練し、周知、浸透を図っていかないと」と協力を呼びかけた。