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「サテライト妙高」跡地 ウイスキー蒸留所に再整備 プロポーザルの結果公表 大谷(新潟市江南区)を事業者選定 妙高市

ウイスキー蒸留所として再整備される見通しの旧サテライト妙高

 妙高市長森の競輪場外車券売場「サテライト妙高」跡地がウイスキー蒸留所として再整備される見通しとなった。市が公募型プロポーザルの結果を公表した。

 プロポーザル審査委員会が6月14日に開かれ、ウイスキー蒸留所整備計画を提案した株式会社大谷(本社・新潟市江南区、資本金3000万円)を事業者に選定した。総合評価点は700点満点中494点だった。

 市によると、同社は各種印鑑の製造・販売業が主力。全国に約100店舗の印鑑専門チェーン店を展開。印章売上高では日本一を誇る。併せて名刺・はがきなどの印刷、異業種として訪問介護事業、食品の製造・加工・販売業も手がけている。

 ウイスキーはすでに同社の100%子会社、新潟小規模蒸溜所運営の「新潟亀田蒸溜所」が製造、販売している。世界的コンクールで受賞するなど、実績、評価を高めている。

 提案内容では可能な限り地元の原材料を使用した特色あるウイスキーの製造、販売を行い、新たな特産品と雇用の創出を図り、蒸留所を観光拠点として整備することで、交流人口の拡大にも寄与するとしている。

 同委員会は選定理由として、新たな特産品としての期待、観光施設としての利用、地元農業、産業との好循環、蒸留過程でできる残渣(ざんさ)の飼料への活用検討・資源循環を挙げた。

 6月24日に開かれた市議会全員協議会で、理事者側から議会に説明があった。質疑では議員から評価点が満点に対し約7割だった理由の確認、地元産小麦の利用を求める要望などが上がった。

 施設は当面、市が所有する貸与契約となる見通し。7月以降に地元説明会が行われ、設計業務発注が行われる。工事発注は令和7年4月から、竣工(しゅんこう)は同8年2月、事業開始は同4月を予定している。