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糸魚川市中学でネットいじめ 外部識者の専門委調査 重大事態に該当せず

 糸魚川市内の市立中学校で、インターネット(SNS)を介したいじめ事案が発生し、弁護士ら外部識者による「糸魚川市いじめ問題専門委員会」が調査対応に当たっていたことが1日、市教育委員会(こども教育課)への確認で分かった。

 市教委によると、令和4年12月と同5年1月に、当該学校の生徒が使っていた学習用タブレット端末2台が校内で相次いでなくなった。その後、何者かにより、タブレットの中の写真画像や成り済ましの性的メッセージなどが、SNSを通じて何人かの生徒のスマートフォンに送りつけられたという。

 学校、市教委はいじめ事案として認知し、同5年7月30日にいじめ問題専門委員会を設置して調査を進めてきた。このほど調査結果がまとまり、調査協力に関わった生徒保護者らに報告する。同専門委員会ではいじめの重大事態に当たらないとの判断で、市教委は同事案については公表しないとしている。

 同専門委員会設置から11カ月が経過した点については、写真には多数の生徒が写っているものもあり、聞き取りの対象者が多かったため調査に時間がかかったとしている。警察にも相談したが、送信元を割り出すのは難しく、加害者の特定には至っていないという。

 聞き取りに応じた生徒からは「嫌な思いをした」という声があり、保護者からは「エスカレートしてほしくない」など心配の声がある。ネット上に不利益な情報が残り続ける「デジタルタトゥー」の問題もあり、再発防止の徹底が求められている。