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〈全国高校野球新潟大会〉3回戦 高田北城、完封リレー 糸魚川20安打で逆転 17日の4回戦で対決

【新発田―高田北城】高田北城の先発・坂木は持ち味のコーナーを突く投球で、7回を1安打無失点に抑え、チームに勝利を呼び込んだ
【開志学園―糸魚川】糸魚川は最終回を3人で締めて勝利し、三回途中から好リリーフした2年生右腕の比護(左から2人目)らが3年生の祝福タッチを受ける

 第105回全国高校野球選手権記念新潟大会は16日、4球場で3回戦の残り8試合が行われた。上越勢は第5シードの高田北城が左右2人の投手リレーで新発田を1安打に抑え2―0で勝利。糸魚川は序盤に失点を重ね苦しい展開となったが、打線が粘り強く追い上げ、計20安打で開志学園に13―12と逆転勝ち。ベスト8進出を懸けた17日の4回戦は、高田北城と糸魚川の上越勢直接対決となった。

◇坂木―岩間 1安打継投 高田北城

 ◇3回戦

 【柏崎市佐藤池】

 ▽第1試合

新発田

000000000―0

10010000×―2

高田北城

 ○…シード校の高田北城が左腕・坂木陽(3年)―右腕・岩間創(3年)の1安打完封リレーで新発田を封じ、ベスト16に駒を進めた。先発・坂木は「いけるところまでいく」と公式戦最長という7イニングを零封。身上の「丁寧な投球」で直球、スライダーなどをコーナーに投げ分けた。

 投球前には帽子のひさし裏の「勝」の字を見つめて心を落ち着かせた。試合に「勝」と、亡き祖父・勝(まさる)さんの名前。漁師の勝さんは昨年4月、漁船の転覆事故で亡くなった(享年77)。「小学校の時からずっと応援してくれた。一緒に戦っている」と一球一球に思いを込めた。

 坂木と上下浜小(浜小フェニックス)―柿崎中から一緒にマウンドを守ってきた岩間は「(0点で来て)プレッシャーはあった」と言いつつ、無安打でつないだ。牛木晃一監督が「配球良く投げてくれた」と評する捕手・岩佐颯音(3年)が、「投手2人を生かすのが僕の仕事」と好リードで導いた。

 左右2枚看板の盤石リレーとバックの堅守で2点を守り、「あとは明日(17日、4回戦)に向けて打つ方を修正して」(牛木監督)、連戦に挑む。



 2二塁打1打点、二塁手で再三の好守を見せた6番春川咲人(3年) (坂木)陽がいい投球を見せていたのでランナーを返そうと。守備は自信がある。練習通りにできた。

◇エースの不調 全員でカバー 糸魚川

 ▽第2試合

開志学園

504000120―12

30500050×―13

糸魚川

 ○…糸魚川が大黒柱の苦しいマウンドを周りの選手がカバーして大逆転でものにした。佐藤学監督は「東野(亜輝、3年)中心のチームだが、大会では東野に頼らずどこかでみんなで頑張っていかないと、と言ってきた。まさにその展開になった。本当に苦しい試合だったが、何とか挽回してくれた」とほっとした口調で話した。

 東野は制球が定まらず三回途中までに1安打ながら9四死球で9失点。三回途中から3番手でマウンドに上がった比護謙信(2年)は「3年生との夏を絶対に終わらせたくない」と、気持ちのこもった投球を見せた。相手の流れを食い止め、終盤の逆転劇を呼び込んだ。

 2点差に広がった七回裏、二死走者なしから打線がつながり、満塁で1年生の代打・中澤克斗の中前2点打で同点。なおも4番加藤優真(3年)が中前に勝ち越し打、5番渡邉慶大(3年)が右中間2点二塁打で畳み掛けた。投手陣をリードし、4安打4打点の渡邉は「(東野)亜輝がいつもチームをまとめていた。自分が球を捕っているので、その分もチャンスで返せるように」と、エースの不調を打線全体でカバーした。

 チームを引っ張った加藤は「(東野は)悔しい思いをしていると思うので、明日(17日)は期待したい」と、エースの復調を信じていた。



 七回裏に代打で出て同点2点適時打を放った中澤 打つしかないと思い、ストライクを狙った。緊張していたけど開き直って、練習通りに打てた。

◇17日の上越勢

 ◇4回戦

 【柏崎市佐藤池】

(2)糸魚川―高田北城(午後0時30分)

【開志学園―糸魚川】糸魚川は最終回を3人で締めて勝利し、三回途中から好リリーフした2年生右腕の比護(左から2人目)らが3年生の祝福タッチを受ける