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〈全国高校野球新潟大会〉関根学園、加茂暁星に敗退 高田、上総も涙のむ 2回戦

【関根学園―加茂暁星】関根学園は八回表二死満塁、途中出場の片桐の右前適時打で2点を追加し、3点差に追い上げる
【高田―新潟江南】高田は主戦のボルウェルが先発完投。打っては3番に座り2安打1打点と気を吐いた

 第105回全国高校野球選手権記念新潟大会は9、10の両日、4球場で2回戦が行われた。上越勢は1回戦を勝ち上がった関根学園が、春季大会準優勝で第2シードの加茂暁星と対戦。終盤に追い上げを見せたが、3―6で敗れた。昨秋、今春大会連続でベスト16の高田は、昨秋ベスト8の新潟江南に1―4で敗れ、初戦で涙をのんだ。9日の試合では上越総合技術が三条に0―7、八回コールド負けした。

◇終盤に反撃も及ばずに涙 関根学園

 ◇2回戦

 【ハードオフ・エコスタジアム新潟】

 ▽第1試合

関根学園

000000030―3

01011300×―6

加茂暁星

 (関)桑原、高橋―西戸、池田栞

 (加)真保、柴田―小杉

 ▽三塁打 栗林(加)▽二塁打 小林(関)小杉(加)

 ○…関根学園は終盤に3点を返し、第2シードの加茂暁星に食らいついたが及ばず。整列時には、練習試合を行い顔なじみの相手に言葉をかけた。安川巧塁監督は「関根学園らしく粘り強く戦ったが、もっと早くやってほしかった」と遅い反撃を悔やんだ。

 相手投手の対策を練り挑んだ。後半に形となり、八回に3番小林隆太朗(2年)の左翼線二塁打から、6番深澤好誠(3年)の右前打、途中出場の片桐優(2年)の右前2点打で3点を返した。

 投手は先発の横手・桑原健成(3年)から六回途中で高橋岳斗(3年)につないだ。桑原はスライダーを武器に粘投を続け、交代時には「自分の思いを岳斗に託した」。高橋は直球とスプリットを主体に雄たけびを上げながら気合の投球を見せ、七、八回は三者凡退に打ち取った。高橋は「3年間、甲子園だけを目指してやってきて、最後に仲間と一緒に野球ができて良かった」と、全てを出し切った表情で話した。



 八回表に2点適時打の片桐優(2年) 劣勢の場面だったので、自分の声で変えようと思った。先輩たちの分も甲子園に行けるように一日一日を大切にやりたい。

◇序盤の失点 最後まで響く 高田

 【柏崎市佐藤池】

 ▽第2試合

高田

001000000―1

04000000×―4

新潟江南

 (高)ボルウェル―市村

 (新)阿部寧―野上

 ▽二塁打 小林(高)中村(新)

 ○…高田は相手チームを安打数で上回り、失策数では下回る内容だったが、序盤の失点が最後まで響いた。

 二回裏に四球や失策も絡んで4点を献上。三回表に3番・ボルウェル リオンウィル(3年)の右前適時打ですぐさま1点を返して1―4としたものの、伸びのある直球主体で攻めてくる相手投手を打ちあぐねた。

 太田雄一監督は「二回の4点が大きかった」と肩を落とした一方で、「投手は一生懸命投げたし、随所でいいプレーが出ていた。最善は尽くしたと思う」と選手たちをねぎらった。

 主戦として先発完投したボルウェルは「そこから(三回以降)はもう絶対(点を)取らせないという気持ちで投げていた。(二回は)悔いが残る」と悔しさをにじませた。

 主将の重原誠(3年)は試合中、「精神面での支えになるような声がけ」を意識してチームを鼓舞した。最後の夏が終わり、「つながりのある、元気の良いチームを続けていってほしい」と後輩たちに希望を託した。

◇好機生かせず 悔しい敗戦 上越総合技術

9日の試合

 【長岡市悠久山】

 ▽第1試合

上越総合技術

00000000―0

04010002×―7

三条

 (八回コールド)

 (上)相澤、丸山陽、長―小林

 (三)岡―小黒

 ▽三塁打 石黒(三)▽二塁打 橘、小黒、中野(三)

 ○…上越総合技術は悔しいコールド負け。選手たちは無念の表情で相手の校歌を聞いた。チームを鼓舞した小林海優主将(3年)は試合後、「悔しいの一言しかない」と表情を曇らせた。

 初回に満塁の先制機を逸すると、二回裏に二死二、三塁から連打を浴び4失点。その後もチャンスを作ったが生かせず、得点できなかった。夏の大会初采配となった高澤亮太監督は「初回に点が取れていれば流れは変わった。うまく打てる状況を作れれば良かった」と悔やんだ。

 先発・相澤達輝(3年)を継ぎ三回から2番手で5イニングを1点に抑えた丸山陽(はる、3年)は「準備はしていた。これまでの練習の努力を全て注ぎ込んだ」と気持ちを込めた。八回に好機を広げる意地の安打を放った4番・長瑛亮(えいすけ、3年)は「つなぐ意識で、自分の形で捉えられた」と振り返った。

 小林主将は「1年生には期待できる選手が多い。1、2年生はこれからの上総を引っ張っていってほしい」と後を託した。

◇10日の上越勢

 ◇2回戦

 【柏崎市佐藤池】

(1)柏崎工―高田北城(午前10時)

(2)新発田―糸魚川白嶺(午後0時30分)

 【新発田市五十公野】

(1)東京学館新潟―柏崎常盤・柏崎総合・久比岐(午前10時)

【高田―新潟江南】高田は主戦のボルウェルが先発完投。打っては3番に座り2安打1打点と気を吐いた
【上越総合技術―三条】上越総合技術は六回裏二死一塁の守備で、遊ゴロをさばいた遊撃手の松山仁(左)がそのまま二塁を踏み封殺。右は二塁手の岡田慶太