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わんぱく相撲で上越を元気に 土俵をにぎわせる小さな力士たち

 小学生が対象の相撲大会で最大規模を誇るわんぱく相撲。上越地域では毎年5月に予選大会として上越場所が開催されます。わんぱく相撲上越場所と上越地域における相撲の今後について、上越市相撲連盟理事長の太田一幸さんと小川貴裕さんに話を聞きました。

角界への登竜門
 毎年5月に開催されるわんぱく相撲上越場所。土俵上で白熱した取組を繰り広げる小さな力士たちの中には、将来角界入りを目指す子もいます。対象は小学4~6年生の男女。全国200地区で開催される予選大会と県大会を勝ち抜いた小学生力士だけが、両国国技館での全国大会に出場することができます。上越場所では小学1~3年生の取組も実施されます。
 始まりは1977年、東京青年会議所が行った「東京・23区の魅力度・第2回都民生活意識調査報告書」の結果を踏まえて開催されました。遊ぶ場所が少ない東京の子どもたちに身体を動かす機会を創出し、心身の鍛錬と健康の増進を目的としています。その後、日本相撲協会と協力し、わんぱく相撲は全国へと普及。1985年には両国国技館で全国大会が開催され、現在まで続いています。
 全国大会では大相撲と同じ土俵で取組が行われることもあり、角界を目指す子どもたちにとっては夢の舞台といわれています。

心身ともに成長できる

昨年は上越3市から約60人が出場。4~6年生の男子優勝者は「心」「技」「体」の化粧まわしを着けています

 2023年に開催された上越場所には約60人が参加。教室などに通い力をつけている子もいますが、遊びの延長で参加する子も多いといいます。
 少子化などの影響もあり、上越地域の相撲競技人口は年々減少。そのため、上越市相撲連盟では主催する相撲教室の生徒数を増やすため、わんぱく相撲をはじめとした相撲大会の成績上位者やその保護者へ声掛けを行っています。

相撲教室の様子。この日、教室デビューした子も一緒に準備運動などをして身体を動かします

 礼儀の大切さや相手への思いやりを学び、心身を鍛えることで自主性・協調性・自己肯定感を養うことができる相撲。しかし見た目が原因で敬遠されやすい競技でもあるため、中学生になるとやめてしまうことが多いそう。
 自身も親のすすめで幼稚園のころから相撲部屋で習っていたという太田理事長。「教室に通うきっかけは親の意向がほとんどですが、強くなるには自分の意思が不可欠。がんばって練習した分だけ必ず力がつくので、肉体的な部分に加え精神的な部分でも大きく成長できます。子どもたちに少しでも相撲の魅力に気づいてもらえればうれしいです」と話します。

相撲って楽しい!

わんぱく相撲上越場所を担当する公益社団法人上越青年会議所の大島理事長(1列目右)とオリエンテーション委員会のみなさん

 「そもそも相撲は土俵上で笑うことがよしとされていないくらい厳しい競技。しかしその厳しさを乗り越えた先に学べることがたくさんあります。まずは相撲の楽しさを少しでも知ってもらえたらうれしいです」と太田理事長。今の時代にあわせた指導で、一人ひとりの才能を伸ばしていくことが大切だと考えています。また、わんぱく相撲の認知度を向上させ、相撲に対するハードルを下げることで競技人口の増加に繋げていきたいといいます。
 小川さんは「はじめはみんな弱くて当たり前。練習を続けることで身体だけでなく心も強くなれるのが相撲の魅力です」と、太田理事長は「わんぱく相撲に出場したからといって、必ずしもプロを目指さなくてもいい。少しでも相撲に興味をもって楽しんでもらえたら幸いです。」と期待をふくらませています。

【わんぱく相撲上越場所】
■日時 5/12(日)9:00(8:30受付)
■会場 謙信公武道館(上越市戸野目古新田375)
当日観覧OK

【上越市相撲教室】
■日時 毎週月・金曜 19:00~21:00
■場所 謙信公武道館相撲場
■対象 5歳~中学生(女子も可)
詳細はHPまたはインスタをチェック!