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かみがたりネットワーク 糸魚川・出雲・諏訪 神話でつながる3市集う 講演・祭り・観光 縁(えにし)より深く 

オープニングで「奴奈川姫を歌う会」が歌劇のダイジェスト版を披露。歌と熱演で神話の物語を届けた
パネリストに「信州諏訪ガラスの里」会長の岩波尚宏さん、「NPO法人シャーネ・エレーテ今市」理事長(出雲商工会議所会頭)の福間正純さん、「神話で結ぶご縁の会」副会長の土田孝雄さんが参加(右から)。日本画家の川崎日香浬さん(左)がコーディネーターを務めて意見を交わした

 糸魚川市(奴奈川姫)、島根県出雲市(大国主大神)、長野県諏訪市(建御名方神)の3市による交流団体「神話の縁結び かみがたりネットワーク」(会長・米田徹糸魚川市長)の記念講演会が10日、同市大町1のヒスイ王国館で開かれた。

 奴奈川姫を祭る奴奈川神社が併存する同市一の宮1の天津神社春大祭「糸魚川けんか祭り」に合わせて企画。3市長、各行政機関、民間団体の関係者、一般市民合わせて約130人が集い、夫婦、親子の神話がつなぐ縁を通じて交流を深めた。

 オープニングは同市の「奴奈川姫を歌う会」が歌劇「奴奈川姫」から3人が関わる場面をダイジェスト版で披露。「縁(えにし)と平和が続くように」と願いを込めて繰り広げた。

 講演は郷土史家で、「神話で結ぶご縁の会」副会長の土田孝雄さん(糸魚川市)、奴奈川姫をはじめ日本神話をテーマに描く日本画家の川崎日香浬さん(上越市)が講師を務めた。それぞれ『古事記』や古代史をひもときながら調査研究の成果を伝え、奴奈川姫やヒスイ、現代に息づく文化歴史の魅力を熱心に語った。

 講演会の実施に当たり、米田市長は「奴奈川姫は地元の宝で自慢の象徴。奴奈川姫の関係する祭りを見ていただきたく4月10日に開催した。さらに交流が盛んになるように」と期待した。出雲市の飯塚俊之市長と諏訪市の金子ゆかり市長は、天津神社を訪れて祭りを見物。若衆の活気や迫力に感激した思いを伝え、3市の官民連携によるネットワークの発展に取り組みたいとした。

 パネルディスカッションでは3市の民間代表者が神話を題材にしたイベントや観光交流、ものづくりなどの活動を紹介し、交流人口拡大に向けて情報、意見を交わした。パネリストで参加した土田さんは「糸魚川はロマンと歴史文化がたくさんある地域だが、市民に知られていない。いかに輪を広げるか。行政と民間で分かりやすい雰囲気づくりを」と求めた。

パネリストに「信州諏訪ガラスの里」会長の岩波尚宏さん、「NPO法人シャーネ・エレーテ今市」理事長(出雲商工会議所会頭)の福間正純さん、「神話で結ぶご縁の会」副会長の土田孝雄さんが参加(右から)。日本画家の川崎日香浬さん(左)がコーディネーターを務めて意見を交わした
米田市長(糸魚川市、左)、飯塚市長(出雲市、中央)、金子市長(諏訪市、右)の3市長が奴奈川姫ゆかりの地に集った