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津波、安定的に継続監視 直江津港に観測装置を設置 能登半島地震 今後も警戒 気象庁

報道陣に公開された津波観測装置。太陽光パネルを備え安定的に津波を観測することができるという
26日に直江津港で行われた津波観測装置の設置作業

 気象庁は26日、上越市の直江津港に津波観測装置を設置した。これまで最寄りの津波観測点は鯨波(柏崎市)だったが、今後、上越市での津波観測が可能となる。設置は臨時的なものだが、撤去の時期は決まっていない。

 設置されたのは機動型津波観測装置と呼ばれ、太陽光発電パネルと電池を備え、安定的な監視と継続が可能。「みなと風車公園」近くの、一般市民が立ち入りできない区域に設けられた。

 同日は雨が降る中、気象庁の職員立ち会いの下、設置工事が行われた。午後には観測データの送受信テストなどが行われた。

 元日の能登半島地震では、午後4時10分の地震発生から20分程度で上越市直江津地区の海岸部に津波が到達。砂浜にあった浜茶屋の物品を押し流したほか、関川を遡上(そじょう)する様子が国土交通省のライブカメラなどで記録された。1月下旬には気象庁が調査の結果、同市の船見公園では遡上高(陸地の斜面を駆け上がった津波の高さ)が推定で5・8メートルだったことを発表した。

 設置に立ち会った気象庁環境・海洋気象課の野崎太調査官は「能登半島地震を契機に、地震活動が続いている。政府の地震調査委員会で、今後も能登半島付近の海底で地震が起きた場合、津波が発生する可能性があると評価されている。(上越市の津波の)遡上高が5・8メートルという事実を踏まえ、今後も観測が必要と考え、臨時的に設置することにした」と述べた。

26日に直江津港で行われた津波観測装置の設置作業