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妙高市の笹ケ峰ダム 積雪量、昨冬上回る 今後の気象次第 水不足懸念も

19日の笹ケ峰ダム周辺(関川水系土地改良区のライブカメラから)

 上越、妙高両市の平野部にある農地約7000ヘクタールを潤す笹ケ峰ダム(妙高市)は、周辺における今冬の最深積雪が昨年を60センチほど上回った。ただ、3月下旬以降気温が上昇し続け融雪が進んだ場合、夏場の農業用水確保に支障が出る恐れがある。昨年は7、8月にかけてほとんど降雨がなく、ダムの水が枯渇したこともあり、関川水系土地改良区は天候の推移を注視している。

 同土地改良区によると、今冬の笹ケ峰の最深積雪は13日に記録した253センチ。昨冬は3月2日に記録した190センチだった。今冬は2月下旬に気温が上昇したため雪が積もらず、観測史上最低の積雪だったが、3月に入って気温が下がり、降雪もあって回復したという。

 ダム周辺の雪は解けて水になって流れ込み、ダムは4月中に満水となる見込み。同土地改良区は「春作業に向けての通水は問題ない」としている。一方で昨年は渇水により、8月下旬にはダムの底が見えるまでになった。関係者は「5月以降は週に1度でいいので、まとまった降雨があってほしい」と話す。同土地改良区は今後を見据え、水田の漏水対策の実践や節水の呼びかけを行うことにしている。