文字サイズ

関山宝蔵院で供された食の文化を研究する会 レシピ集『食の歳時記』発刊 観光振興、地域活性化願い

完成したレシピ集『関山宝蔵院の食の歳時記』を手にする吉越さん
冊子はオールカラーで鮮やか。各御膳と構成料理を紹介している

 妙高市妙高地域関山地区の「関山宝蔵院で供された食の文化を研究する会」(川崎郁夫会長、会員11人)はレシピ集『関山宝蔵院の食の歳時記』を発刊した。

 同会は2018年に発足。江戸時代の文献『宝蔵院日記』の記述に基づき、同地区の伝統・郷土料理の元になった宝蔵院の食文化について研究。院の年中行事や催事の折、地域住民らを招いて振る舞われた「宝蔵院御膳」を約5年の歳月をかけて再現した。

 編集・発行は会員の一人、同市新井地域在住の吉越正子さん(82)が担当した。印刷はサクラ印刷株式会社(上越市西田中)。冊子はA4判・カラー88ページ。宝蔵院や日記、食文化などの解説とともに、「火祭り御膳」「日待御膳」「初午(はつうま)御膳」などの各御膳と、構成する料理のレシピを紹介している。

 吉越さんは、2010年に市教育委員会が刊行した解説書『宝蔵院日記の風景』で食に関する部分を執筆。「地区住民と宝蔵院は食を通じてほほ笑ましい関係を保っていた」と知って感銘を受け、有志と同会を立ち上げ、試食会や研修会などを重ねてきた。

 完成した冊子を手にした吉越さんは「カラーが素晴らしい」と出来栄えに感激。コロナ禍による活動中断などの苦難を振り返り、会員をはじめ地域、行政など多くの協力、励ましに感謝した。「この地区の素晴らしさを知ってもらい、地域の観光振興、地域活性化の少しでもお役に立てれば」と願い、御膳を振る舞う場所や機会の創出にも意欲を示した。

 冊子は約800冊を作製。希望者には頒布する予定。1冊1200円(税込み)。問い合わせは吉越さん(電0255・72・5473、電090・2448・1929)へ。

冊子はオールカラーで鮮やか。各御膳と構成料理を紹介している