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レガシーを次代へ パラ柔道を体験 小中高生ら127人 廣瀬さんと模範試合も 上越市

アイマスクをして寝技の体験
パラリンピック銀メダリスト廣瀬さん(右)と模範試合

 上越市の柔道パラリンピアン交流会(視覚障害者柔道)が2月25日、同市戸野目古新田の謙信公武道館で開かれた。上越地域の小中高生ら127人が参加した。

 東京オリンピック・パラリンピックで同市はドイツのホストタウンとなり、同国パラリンピック柔道チームの合宿などが行われた。その後もつながりは続き、昨年8月には市内ジュニア選手を同国へ派遣し、交流を育んだ。今回の交流会もオリパラのレガシーを継承していく目的の一環。

 今回は2004年アテネ、2016年リオデジャネイロの両パラリンピック男子60キロ級銀メダリスト、廣瀬誠さん(47)と日本視覚障害者柔道連盟の佐藤雅也専務理事、上瀧亨育成コーチの3人が来越。目が不自由な選手によるパラ柔道の競技特性を解説し、実際に参加者がアイマスクを着用し、視覚障害の疑似で寝技や投げ技の攻防などを体験した。

 廣瀬さんとの模範試合では組み合った状態から始まる競技方式を実践し、組み手の強さなどを体感した。昨年の全国中学大会男子60キロ級に出場した宮尾優輝君(中郷中2年)は「組む力がすごく強かった」と感想を話し、「目が見えているのは当たり前ではない。見えていない人にも感謝を伝えて頑張っていきたい」と話した。

 もう一人、対戦した小山諒也君(上越総合技術高1年)も「力がとても強い。持った場所を離さない」と話し、アイマスク着用については「真っ暗な視界で怖いなと思った」と貴重な経験になった様子。

 質疑応答では参加者からの「目が見えないことで柔道でのメリット、デメリットは」との問いに、廣瀬さんは「見て学ぶことができず技の習得が難しいが、助けてくれる人がいることに気付ける。柔道を通しいろいろな人に会える」と答え、支援に感謝の思いを表した。リオの銀メダルを見せて、中に玉が入っていて振ると音が鳴ってメダルの色が分かる特徴を紹介した。

 主催の上越市教育委員会では今後も交流事業を続けていきたいとしている。

パラリンピック銀メダリスト廣瀬さん(右)と模範試合
廣瀬さんのリオデジャネイロパラリンピック銀メダルを見て触る子どもたち
交流会に参加したメンバー