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「新生」JAえちご上越始動 融和促進、農業所得向上を 幹部職員に辞令交付

職員を代表して総合リスク管理部の岡田明部長(旧ひすい能生支店長)が決意表明。地域農業を取り巻く環境が厳しさを増す中、新JAえちご上越が地域、会員から信頼されるよう目指すと述べた
式典後に報道陣からの取材に応じる羽深真一経営管理委員会会長。合併後の新体制などについて述べた

 えちご上越、ひすいの両JAが合併し、〝新生〟えちご上越農業協同組合(JAえちご上越)が1日、発足した。上越地域一円を管内に約1100人の職員が勤務する。同日、上越市藤巻の本店で経営管理委員会を開き、新JAの業務執行体制を決定。幹部職員に辞令を交付、本格的な業務をスタートした。

 旧ひすい管内には、旧えちご上越管内3地区に設けられている「地域統括本部」を置き、支店網を束ねるほか、営農センターを設けて地域農業者の営農サポートを行う。人事異動では旧ひすいの管理職を本店の管理部門に異動させるなど、両JAの融和を図る姿勢を示した。

 経営管理委員会の羽深真一会長(旧えちご上越経営管理委員会会長)は「一日も早く融和を図り、組合員・利用者の期待に応えるため、合併経営計画の達成を目指してほしい」と述べた。総合リスク管理部長に就任した岡田明・旧ひすい能生支店長は「自ら先頭となって、難局を切り開く覚悟で(職務に)臨む」と決意表明した。

 地域農業は農業者の高齢化と後継者不足、農業所得の伸び悩み、気候変動による収穫量の不安定など厳しい環境の真っただ中にある。JAを支える信用事業の収益力強化も大きな課題だ。「新生・えちご上越」はスケールメリットの発揮だけでなく、課題解決のためのメニューをどれだけ提示できるかが求められる。

 羽深会長は「各JAの強みとともに、着手していなかった部分もある。取り組みを広げていきたい。それには人が最も重要な財産。人材を生かしていきたい」と話した。

式典後に報道陣からの取材に応じる羽深真一経営管理委員会会長。合併後の新体制などについて述べた