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絶景目指し山道を行く 中郷区岡沢 スノーシュー履き散策 道中 幻の名水も味わう

木立の中を進む参加者
「幻の名水」旭清水に到着する一行

 スノーシューを履いて中郷区の里山を巡るイベントが24日、同区の岡沢集落で開かれた。参加者は絶景スポットを目指して片道約3キロの山道を散策。動物の足跡を観察したり、名水を味わったりして五感を使って里山の魅力を楽しんだ。

 イベントは雪郷(ゆきさと)おかざわ地域づくり協議会主催。昨年3月に着任した同地区の地域おこし協力隊員・尾崎太亮(たいすけ)さん(31)が、集落の資源を生かしたイベントで魅力を発信したいと初企画した。区内外の市民や町内住民、協議会メンバーら20人超が参加した。

 道中では地元の山に精通した岡田雅彦さん(67)が案内役を、また妙高高原ビジターセンター元館長の春日良樹さんが動植物の解説を務めた。

 森では雪上に幾つもの動物の足跡を発見。春日さんはそれぞれカモシカやテン、イノシシと見分け、生態について解説した。

 木の上に熊が餌を食べた痕跡である「熊棚」を発見すると、春日さんは「熊棚は昨年、ここに熊がいたという証拠。その場所を把握することは、人間と熊が出合う危険を回避できる」と話した。

 参加者は途中、同集落の特産品であるメープルシロップの原料となる樹液の採集場所を見学。岡田さんから煮詰めてシロップ状になったものをもらい味わった。また幻の名水として知られる「旭清水」に立ち寄り、ワサビが育つ清流をくんだ。

 一行は、妙高市内や遠く米山まで見晴らせる絶景スポット「馬頭観音堂」に到着。旭清水を沸かした湯でコーヒーやココアを味わいながら、心地よい疲れを癒やした。

 区内からめいと参加した60代の女性は「岡沢は普段近くを通るけど、散策は初めて。雪の中をスノーシューを履いて歩くのも楽しい」と話した。

 尾崎さんは「集落の魅力を伝える第一歩となった。今後はグリーンシーズンなど、さまざまなイベントを企画していきたい」と意気込みを話した。

「幻の名水」旭清水に到着する一行