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妙高青少年自然の家 狩野美月さん(23) 被災地で支援業務 能登青少年交流の家へ子らとも触れ合い

能登青少年交流の家に派遣され、支援業務を行った妙高青少年自然の家の狩野美月さん

 能登半島地震の被災者支援のため、独立行政法人国立青少年教育振興機構・国立妙高青少年自然の家(妙高市関山、小林朋広所長)の事業推進係員、狩野美月さん(23)は9日から16日まで、同系列の施設・国立能登青少年交流の家(石川県羽咋市)に派遣された。

 狩野さんは昨年4月、同機構に入所、妙高が初任地の新人職員。各施設に本部から支援要請があり、手を挙げた。妙高から期間をずらし2職員が能登入りした。

 能登での業務は被災者を迎える浴室の清掃など。被災地は広い範囲で断水が続いている。連日、輪島市や珠洲市からバスで訪れた被災者に、快適で安らげる入浴の時間を提供した。

 10、11日には七尾市、志賀町から余暇活動や食事、入浴、学習などに制約のある子どもたちを迎え、「笑顔プロジェクト」を実施し、運営スタッフを務めた。心身ともにリフレッシュしてもらおうと、洗濯タイムやのんびりタイム、卓球、綿あめなどの体験、交流コーナーを設けて触れ合った。

 能登で活動し「近くまで行かないと『自分ごと』にできない自分が悔しかった」と振り返る狩野さん。「逆に能登の方から『ありがとう』と言葉を頂き励まされた」と感謝し、「能登の震災を風化させてはいけない。肌で感じたことを自分の言葉で発信できる職員に」と意欲を話した。

 送り出した桑山宗大次長は「自分で体験すると違う。今回の気付きを妙高で、子どもたちの体験活動につないでほしい」と期待した。