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穏やかな春祈り「ひな遊び」 工夫光る見立て雛や昔ながらのひな人形 雁木、町屋に並ぶ 商店街や文化、観光施設などで3月3日まで

県史跡・相馬御風宅で展示されている高校生考案の見立て雛。昔話「浦島太郎」をモチーフにした構成でひな人形を飾った
大日方さんが収集した糸魚川産の水石・美石を披露。ミニ雛と並べた展示もそろう(フォッサマグナミュージアム)

 糸魚川駅(日本海口)前の糸魚川広域商店街の各店舗や糸魚川市内の文化、観光施設などが参加した「第5回石のまち糸魚川~雁木通りのひな遊び」が22日から始まる。それぞれ店内や施設内に、昔ながらのひな人形や工夫を凝らした見立て雛(びな)を飾る。見学無料。会期は3月3日まで。

 主催は「糸魚川の町屋文化を守り伝える会」。代表の小川英子さん(74、神奈川県在住、同市出身)は「今年は元日に能登半島地震があり、一日も早く穏やかな春が来るように祈りを込めたひな遊びにしたい」と話す。

 参加各所のうち、大町2の相馬御風宅では、今年新たに糸魚川高の生徒の考案で、昔話の浦島太郎をモチーフに構成したひな飾りを展示。五人ばやしが海で亀を囲み、竜宮城で三人官女がもてなし、玉手箱の煙をかぶって年老いた浦島太郎には表情豊かな仕丁(しちょう)を見立てて飾った。「若い感性、発想が面白い。高校生がひな飾りの伝統に興味を持って関わってくれてうれしい」と小川さん。

 このほかに江戸後期・嘉永の古今雛や同市出身の革工芸作家、平由喜子さんの十二支革雛、同会所蔵の芥子(けし)雛、段飾りなどが座敷や土蔵に並ぶ。御風宅は入場料が必要。100円。高校生以下は無料。

◇水石・美石を展示 ミニ雛コラボも フォッサマグナミュージアム

 ひな遊びと同時企画で、一ノ宮のフォッサマグナミュージアムでは館内ふるさと展示室で、同市在住の愛石家、大日方勝さん(86、小谷村出身)の「水石&美石展」を開いている。

 大日方さんが長年にわたって探し、収集した中から糸魚川で採集した約50点を中心に披露。ミニ雛と一緒に飾った展示もそろえた。

 大日方さんは「水石は一つの石から大自然を想像して楽しむ世界」と魅力を紹介し、「ヒスイや美石、化石と糸魚川の海岸や河原にはいろいろな石がある。展示を通して身近に感じ、楽しんでもらえたら」と話している。

 ヒスイ原石を男雛・女雛に見立てた「石のまち糸魚川雛」や、同市在住のイラストレーター、吉原晴美さんの「石のおひな様」も展示している。同展示室の観覧は無料。

大日方さんが収集した糸魚川産の水石・美石を披露。ミニ雛と並べた展示もそろう(フォッサマグナミュージアム)