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「初午御膳」で卒業祝う 妙高小6年生を招待 関山宝蔵院で供された食の文化を研究する会

卒業を祝う「初午御膳の会」に招かれ、関山宝蔵院の伝統料理を味わう妙高小6年生
会員が心尽くしで調理した「初午御膳」

 妙高市妙高地域のグループ「関山宝蔵院で供された食の文化を研究する会」(川崎郁夫会長、会員11人)は20日、関山コミュニティセンターで「初午(はつうま)御膳の会」を催した。卒業を間近に控えた地元・妙高小(梅川智子校長、児童100人)の6年生15人を招待、地域の伝統料理を振る舞って門出を祝福した。

 同グループは江戸時代の文献『宝蔵院日記』に基づき、関山宝蔵院で供されていたごちそう「御膳」を再現。地域の食文化を研究している。

 「初午御膳」は2月の初午に地域の子どもたちに振る舞われていた食事という。児童の卒業を祝う会は昨年に続き2回目。コロナ禍の影響を受け、長く実施できずにいた。

 当日は、会員が心を込めて調理。地元食材をふんだんに使い、「一の膳」に小豆飯、豆腐汁、凍(し)み豆腐のみそ煮、あらめの煮物、たくわん、取り回しの「大平(おおひら)」に稲荷ずし、さつま芋の飴煮、甘味の牡丹(ぼた)餅、かき餅、岩ぐるみを用意した。

 川崎会長は「卒業おめでとう。大人、社会人になってもこの味を忘れないでください」と祝い、健やかな成長を願った。児童は会員から並べる順など会食の作法、おはぎの作り方を習い「いただきます」。宝蔵院御膳のいわれを聞きながら、箸の使い方などに気を配りながら行儀良く、一品一品をゆっくり味わった。

 完食した児童は「妙高の文化が分かり、おいしく食べられて良かった」「普段と違う感じの味わいでおいしかった」「思ったよりいろいろな作法があり難しかったが、どの料理もおいしかった」などと感想を話し、「中学校に行っても頑張りたい」などとお礼の気持ちを伝えていた。

会員が心尽くしで調理した「初午御膳」