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旧頸城鉄道の雄姿生き生き 梅村正明さん(大阪府豊中市) 写真集2冊発行 車両や駅舎、人々の往来、風景

写真集二つの表紙
コッペル最後の雄姿、明治村駅で(昭和41年5月12日)

 旧頸城鉄道(1914~71年、黒井―浦川原間運行)の雄姿を収めた写真集2冊がこのほど発行された。61~71年の車両や駅舎、沿線の原風景、人々の往来の様子を、もう1冊は冬の風景を収めている。

 撮影したのは大阪府豊中市に住む梅村正明さん(80)。中学1年の頃、頸城鉄道の存在を知り、61(昭和36)年4月、高校1年で最初に訪れて以来大学在学中に足しげく通った。計12回の訪問で36枚撮りフィルムにして100本以上を撮りためた。「関係者の皆さんに随分親切にしていただいたことが60年たった今でも忘れられない」と言う。

 昭和30、40年代の頸城鉄道晩年、廃線時の姿がモノトーンで生き生きと写し出されている。軽便鉄道の各車両や駅舎、ホーム、懐かしい沿線風景、人々の生活の様子を収め、もう1冊は大吹雪での立ち往生、雪捨て列車、ラッセル車、水墨画のような雪の中の情景や人々の交流をまとめている。鉄道だけでなく、その周辺、人物にも目を注ぎ、記録している。

 それぞれ約230枚、約200枚を収め、題名は「頸城鉄道これでもか写真集」と付けた。当時を知る人には懐かしいアルバムであり、貴重な鉄道資料でもある。梅村さんは「頸城鉄道のファンはたくさんいると思うが、これだけの写真を撮りためた人はいないと思う」と話す。昨年11月のくびき野レールパーク15周年記念事業ではシンポジウムのパネリストとして参加した。

 B5判並製84ページ。1冊3000円。編集兼発行人は50年来の友人という、いのうえ・こーいちさん。インターネットでの通販で取り扱っている。NPO法人「くびきのお宝のこす会」にも30冊届けてあり、売り上げは活動費として全額寄付するとしている。(撮影写真は22日付にも掲載)

コッペル最後の雄姿、明治村駅で(昭和41年5月12日)
大池の堰堤(えんてい)で(昭和41年9月24日)