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「万全だった」発言撤回 能登半島地震 津波避難対応で 中川上越市長

会見する中川市長(19日)

 上越市の中川幹太市長は19日の記者会見で、能登半島地震直後に起きた津波の避難対応について「万全だった」との発言を撤回した。直江津地区で多くの市民が自動車で避難し、幹線道路が渋滞したことで「市外からの帰省客らが車で避難した」とした個人的な分析も撤回した。

 撤回した発言は、いずれも1月4日の年頭記者会見でのもの。能登半島地震発生の直後に津波警報が発令され、多くの市民が自動車で内陸へ向かったため、幹線道路の国道8号、18号が大渋滞した。津波は地震発生から20分程度で到達したとみられている。津波避難の在り方として記者会見で疑問を投げかけられた際に「万全だった」と断言した。

 19日の記者会見で中川市長は「津波被害、避難行動の状況が明らかになっていく中で情報発信や避難の在り方について課題があると認識した。それを踏まえると、現時点においては発言内容を改めたい」として、発言を撤回した。

 市は16日、国の機関や学識者を招いて能登半島地震に関する振り返りを始めるなど、初動対応や津波避難の在り方を再検討している。中川市長は「災害対策は、常に反省と改善があってこそ成り立つものだと考えている」とした。