文字サイズ

元教え子訪問 久々の再会喜ぶ 上越市の書家・山田壽雲さん 思い出話に花

書作品の前で山田さん(左)と加藤さん。教室に通っていた頃の思い出話に花を咲かせた(11日、上越市の山田さん宅で)

 書家で前久比岐野書道会会長の山田壽雲さん(80、上越市富岡)の元に11日、元教え子の加藤達也さん(49、上越市稲田1出身)が久しぶりに訪れた。2人は再会を喜ぶとともに、かつての思い出話に花を咲かせていた。

 加藤さんは小学4年から高校卒業までの間、山田さんの教室で書道を学んだ。高校卒業後は慶應義塾大に入学。現在は、大阪府で公文(本社・大阪市)の講師育成を担当し、妻と3人の子どもと暮らしている。

 帰省などの機会に山田さん宅を訪れるなど、家族ぐるみでの付き合いを続けていたが、コロナ禍で最近は交流が途絶えていた。昨夏は5年ぶりに交流を再開でき、この日も帰省に合わせて訪問したという。

 山田さんは加藤さんについて「とにかく真面目で礼儀正しく、印象に残る子だった」と振り返り、土曜の午前授業が終わった後にランドセルを背負ったまま教室に来たこと、書の練習に熱心で教室が終わるまで居座ったため自宅まで送り届けたことなど、当時の微笑ましいエピソードにも触れた。

 加藤さんも書に興味を持ち、大学では書道会代表を務めたほか、山田さんと同じく書を見るために本場中国へ何度も足を運んだことを回想。「先生とは長い付き合いで、何でも相談できる仲。今の自分があるのも先生のおかげ」と感謝を伝えると、「時代が変わっても、書の大切さ、書がつないだ縁は変わらない」と山田さんは応えた。