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全国中学スキー 距離男子5キロフリー 岡田(中郷)準V 純飛躍・複合 上越勢全種目で入賞   

クロスカントリー男子5キロフリー、前半の斜面を上がる岡田
複合女子後半距離、ゴール前、2位の選手を追う野呂(後ろ)

 第61回全国中学校スキー大会は6~9日、今年も長野県野沢温泉村で行われた。上越勢は各種目で懸命な滑りを見せ、活躍が光った。クロスカントリーでは岡田幸輝(中郷3年)が男子フリーで準優勝。男子リレーの本県は2連覇ならず2位となった。純飛躍・複合は複合女子で野呂梨渚奈(妙高高原3年)が3位に入るなど、上越勢が全種目で入賞した。アルペンは惜しくも10位以内の入賞に届かなかった。全中スキー大会は2030年までの10年間、同村で行われる。

◇悔しい2位 後半逆転許す 岡田

 ○…クロスカントリー男子5キロフリーで優勝を狙った岡田幸輝(中郷3年)は6秒9差の2位。ゴール後、掲示板で結果を確認すると、雪上に突っ伏し、肩を震わせた。立ち上がると、コースに向かって「ありがとうございました」と深々と一礼した。

 「悔しいです」。優勝を目標にしたが及ばず、報道陣に第一声を口にした。30秒前にスタートした前日クラシカル2連覇の金丸拓寛(秋田・小坂3年)をターゲットに走り、3キロ過ぎまで6秒ほど勝っていたが、後半の下りで「転びそうで」スピードをセーブしたこともあり、逆転された。「いけると思ったが、甘くなかった」と唇をかみ締めた。

 2年前のクラシカル種目を制した兄・龍介(新井高2年)に続く兄弟制覇を目指したが、「お兄ちゃんにも申し訳ないし、悔しい」。駅伝で昨年12月の全中大会に出場した仲間からも「駅伝(チーム順位37位)は悔しい思いをした。全中の借りは全中で返してくれ」と託され、「ある程度返せたが、一番の目標は優勝だったので」と悔しさをにじませた。

 最終日9日の男子4×5キロリレーで本県は2連覇ならず2位。岡田は最終4走で区間トップの走りを見せ、3位から順位を上げた。

◇複合女子3位 2種目で入賞 野呂

 ○…2年前から正式種目となったノルディック複合女子で、野呂梨渚奈(妙高高原3年)が3位に入り、4位の荻野璃子(小千谷2年)と共に同種目県勢初入賞となった。野呂は前日の純飛躍でも6位に入っており、2種目で入賞を果たした。「目標の表彰台に上れてうれしい」と笑みを見せた。

 前半飛躍で2位につけ、後半距離は上位3人で競り合うレース。結果的に一つ順位を下げたが、「自分の滑りはできた」と満足そうに話した。

 埼玉県伊奈町出身で、小学6年生の時に妙高高原に一家で引っ越し、スキージャンプ・複合を始めた。幼い頃にジャンプ女子の高梨沙羅に憧れ、「やってみたい」と思っていた。「ジャンプは空中を飛んでいるのがかっこいい。複合は最後まで順位が分からないのが魅力的」と競技に熱中している。高校でも両種目を続ける予定だ。

◇竹田葵5位 近藤絆10位 複合男子

 ○…ノルディック複合男子は初出場の竹田葵(妙高高原1年)が5位、近藤絆(牧2年)が10位にそれぞれ入賞。竹田は純飛躍の10位と合わせ2種目入賞を果たした。

 竹田は「目標(の順位)はもっと上だった。他の大会とは違い、全国大会の壁は高いと思った」と初全中で実感。同競技を続け、国民スポーツ大会にも出場する父・元さんの影響でスキーを始め、平昌五輪で銀メダルを取った複合・渡部暁斗の姿に憧れを抱いた。

 将来の目標は「オリンピックで金メダルを取りたい」と話し、「まずはしっかりと力をつけて、3月のジュニアオリンピックカップに臨みたい」と決意を表した。

 近藤は後半距離で「結構走ることができた」と話しつつ、「最後に一つ順位を落としたことが悔しい。実力がなかった」と率直な思い。粘って走り、目標としていた入賞を勝ち取った。

 昨夏の練習中に転倒し肋骨(ろっこつ)に4カ所ひびが入り、全中前には第五腰椎分離症を患い、痛み止めの薬を飲んでテーピングをして出場していた。今後、体調を整え、「ジュニアオリンピックカップと来年の全中で頑張りたい」と前を向いた。

 各種目の1位と上越勢の結果は次の通り。

 ◇クロスカントリー

 ▽男子5キロクラシカル (1)金丸拓寛(秋田・小坂3)13分46秒1(14)岡田幸輝(中郷3)(46)田中晟悟(新井2)(52)霜鳥晃士朗(妙高3)(57)米川颯真(牧3)

 ▽同5キロフリー (1)金丸拓寛12分16秒2(2)岡田幸輝(27)小嶋心哉(新井2)(38)霜鳥晃士朗(42)宮下幸大(妙高高原2)

 ▽同4×5キロリレー (1)長野55分23秒2(2)新潟(樋口幹都、相崎基、我田平、岡田幸輝=中郷3)

 ▽女子3キロクラシカル (1)木内絢花(長野・飯山城北2)10分4秒7(22)後藤ゆいか(妙高高原2)

 ▽同3キロフリー (1)木内絢花8分36秒1(33)後藤ゆいか(36)齊木愛音(妙高2)

 ▽同4×3キロリレー (1)長野38分45秒1(3)新潟(内田埜英留、蔵品和花、小林由奈、藤巻伶菜)

 ◇純飛躍

 ▽男子 (1)西澤希陸(長野・白馬3)239・2点(57メートル、57メートル)(10)竹田葵(妙高高原1)(18)近藤絆(牧2)

 ▽女子 (1)久保田凜々子(長野・野沢温泉2)219・9点(55・5メートル、57・5メートル)(6)野呂梨渚奈(妙高高原3)(16)岸本璃子(同1)

 ◇複合

 ▽男子 (1)姫野蒼大(北海道・札幌前田2)飛躍119点、距離5キロ15分49秒9(5)竹田葵(10)近藤絆

 ▽女子 (1)菊池楼紗(北海道・名寄2)飛躍103点、距離2・5キロ8分47秒7(3)野呂梨渚奈(12)岸本璃子

 ◇アルペン

 ▽男子大回転 (1)小熊健祐(東京・小平第四2)2分23秒34(15)村松駿太郎(妙高高原2)

 ▽同回転 (1)伯谷悠樹(北海道・札幌藻岩3)1分34秒59(39)川上晴生(妙高2)(43)加藤山登(上越教育大附属1)

 ※村松駿太郎は1回目に途中棄権

 ▽女子大回転 (1)森理葉(東京・下里3)2分16秒52(19)難波雪輝望(妙高高原1)(22)相羽紗那(新井3)

 ▽同回転 (1)石水ほたる(北海道・北星学園女子2)1分37秒05(11)難波雪輝望(18)相羽紗那

複合女子後半距離、ゴール前、2位の選手を追う野呂(後ろ)
複合男子後半距離、前の選手を追って走る竹田
複合男子後半距離、競り合って走る近藤(右)