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建築物応急危険度判定調査 1件ずつ丁寧に確認 1日の地震受け上越市

4日に実施された建築物応急危険度判定調査。瓦が落ちた屋根を確認し、住民から聞き取りを行った(上越市五智4で)

 上越市は地震による被害で建物に倒壊の危険などがないか調査を進めている。被害に遭った住宅で生活を続けられるかどうかの判断につながるため、職員は1件ずつ丁寧に確認している。

 調査は、応急危険度判定士の資格を持つ職員が担当。余震により建物の倒壊などの恐れを判定。建物に調査結果を貼り出すことで、住民や関係者、近隣住民に周知し、二次災害を防ぐことを目的としている。

 同市は2日から調査を開始。同日は調査済み(使用可能)5件、要注意5件、危険9件で、危険は屋根瓦の落下がほとんどだという。

 4日、上越市五智4の稲川武夫さん(70)宅では市職員4人が調査を行った。多数の瓦が落ちた後の屋根、剥離した壁のタイルなどを調べ、聞き取りも行った。判定は「調査済み」で、屋根の応急処置が済んでいたため貼り出さずに手渡した。対応した武夫さんの妻、泰子さん(68)は「これまでの地震では被害がなかったので(今回は)驚いた。調査してもらえてありがたい」と話した。

 市によると、今後、罹災(りさい)証明書の発行につながる被害家屋調査が増えてくるという。市民には「これを機に住宅などの耐震化を進めてほしい」と願った。