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プロ野球 2024年飛躍誓う 関根学園の先輩後輩 同じ遊撃手 

西武3年目を迎える滝澤選手
滝澤選手(昨年7月9日、2軍交流戦)

 プロ野球(NPB)、埼玉西武ライオンズの滝澤夏央選手(20、関根学園高出)は今年、プロ3年目のシーズンを迎える。華々しいデビューを飾ったルーキーイヤーから、2年目は1軍での出番が減ったものの、プロ初本塁打を放ち、2軍戦で多くの実戦を経験した。1軍での活躍を期している。同じ遊撃手で2学年下の山田龍青選手(18、関根学園高3年)はNPB2軍戦に参入するオイシックス新潟アルビレックスBCに入団する。先輩の姿を追いかけながら、NPB入りの目標を抱き成長を誓っている。

◇1軍で活躍期す 埼玉西武ライオンズ 滝澤夏央

 滝澤選手の2年目は1軍で16試合に出場し、打率1割8分8厘、4月15日の初打席でプロ初本塁打を放った。48試合に出場した1年目に比べ大きく機会は減ったが、その分、イースタン・リーグ(2軍)で82試合に出場、打率2割3分と実戦経験を重ねた。8月には2軍での活躍が認められ、チームの「走魂賞」を受賞した。

 「1軍で数字を残せず悔しいシーズン。ファーム(2軍)でも思ったような結果が出ず悔しい」と話す一方、「昨年より倍近く出させてもらって、一年間戦うことがこんなにもしんどいと思った。そういった意味ではいいシーズン。プラスに考えている」と、2軍で多くの試合経験を前向きに捉える。

 4月の北海道・エスコンフィールドでの日本ハム戦で、2年目1軍初打席で右翼越えにプロ初本塁打を放った。「自分の中では完璧。今までで一番いい感覚だった」と手に残る好感触を口にしつつ、「ホームランバッターではないので、ヒットを積み重ねていきたい」と肝に銘じる。

 シーズン後には宮崎での教育リーグ、フェニックス・リーグで優勝も経験。「ファームとはいえ、優勝に貢献できたのはうれしかった。達成感があった。これを1軍でも経験し、貢献できるように」と、改めて優勝の良さを実感した。

 あくまで目指しているのは「ショートでレギュラーを取ること」。源田壮亮選手(30)という球界を代表する名手がいるが、「源田さんの次は自分だと思っている。少しでも近づけるように。源田さんを超えるのが目標」と、大きな存在を励みに捉える。

 関根学園高時代に遊撃手で練習を共にした山田選手がオイシックスに入団する。「山田とは結構話すので、おめでとうと伝えた。僕もうれしかったし、いつか(NPBで)一緒にできたらと思っている」と話す。「一番は(自分が)2軍にいないことだけど、2軍にいたら新潟でプレーする機会もあると思う。その時は成長した姿を見せられるように」と対戦を見据えている。

◇新入団アピール オイシックス新潟アルビレックスBC 山田龍青

 山田選手は関根学園高で滝澤選手の後を継ぎ、遊撃手のレギュラーで活躍。打線の主軸としてチームを引っ張った。1年時には一緒に春準優勝、夏ベスト8を経験した。プロ志望届を提出し、声がかかっていた同球団に進むことを決意した。「自分は新潟で生まれ育ったので、新潟で野球を盛り上げたいという気持ちで選んだ」と話す。

 球団は2軍戦に参入するとあり、選手層が格段に厚くなった。NPBや他の独立リーグ球団から移籍した選手も多い。「これから厳しい戦いになると思うけど、持ち味であるスピード感ある守備を磨いていきたい」と決意する。ただ1人の高卒新人で、チーム最年少。「正直、不安な気持ちの方が大きい」と素直な胸中も明かす。

 滝澤選手の存在については「夏央さんは憧れ。(守備で)打球に対するスピードを間近で見てきた。スピード感を持ってやれとの言葉を頭に入れている」と話し、「(2軍で)戦うことがあるかもしれない。ちょっとでも近づいた姿を夏央さんに見せて、しっかりと勉強したい。少しずつ追い付き、いつかは追い越せるように頑張りたい」と先輩の姿を追いかける。

 関根学園高のグラウンドで苦楽を積んできた2人。2024年、大きく羽ばたくことを期待したい。

滝澤選手(昨年7月9日、2軍交流戦)
オイシックスに入団する山田選手
山田選手(昨年7月10日、夏の高校野球県大会)