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上越医療圏の将来考え 新潟労災病院閉院予定受け糸魚川で市民説明会

 「上越医療圏における医療再編に関する市民説明会」(県、糸魚川市主催)が23日、糸魚川市寺町4のビーチホールまがたまで開かれた。23人が参加。病床数の減少や医師不足で機能低下が著しい新潟労災病院(新潟労災、上越市東雲町1)の医療機能再編案などについて、活発な質疑応答が交わされた。

 4日の上越地域医療構想調整会議で示された短期再編計画案を説明するもの。計画案では、新潟労災の医療機能を上越市内6病院(県立中央病院、上越総合病院、上越地域医療センター病院、知命堂病院、さいがた医療センター、県立柿崎病院)で分担し、2025年度中をめどに新潟労災を閉院する予定。

 県福祉保健部の浅見裕之・地域医療整備室長は説明の中で、再編の背景に人口減少と少子高齢化があることを強調。「立ちゆかなくなる前に手を打つことが大事。人口が確実に減っていき、その構造も少子高齢化で中身が変わる。変わるものに合わせていく必要があり、その対応としての、医療の『集約』と『役割分担』」と述べた。

 参加者からは「このような形で閉院してしまうのは本当に残念」「人口も病院も減って、最後に残るのが市民の不安では困る」「糸魚川の実態に合わせたものを検討いただきたい」など、糸魚川を含む上越医療圏のこれからについて率直な声が上がった。

 浅見室長は「閉院が目的ではなく、ここで提供する医療をいかに維持していくかが目的」などと理解を求めた。

 国立社会保障・人口問題研究所が22日に公表した都道府県別、市町村別の2050年の推計人口では、糸魚川市は20年比45・1%減の2万2300人となっている。